シブヤ大学

授業レポート

2009/10/21 UP

終わってから、始まる。

表参道は、「テーマ」でなく、「きっかけ」に過ぎない。

授業前の打ち合わせで、
コーディネーター兼先生の松井さんが話した言葉です。
「表参道裏ツアーなのに?何で?」そんな疑問をいだきつつ、
夜通しの授業はスタートしました。

本日授業をサポートするのは、web制作とパントマイムのパフォーマーの傍ら、
仕事のついでに集まった仲間が立ち上げた
「おもてサンド(http://www.omote-sando.info/)」という情報サイトの特派員をこなす、まあやさん。

どうしても「おしゃれな街」という枠で見られがちな原宿・表参道を
「素の生活視点」で紹介したかったそうで、サイトも凝った作りになっています。
ぜひ、ご覧ください。

それでは、怒涛の6時間をダイジェストでどうぞ!

9/19(土)
AM 0:00
原宿駅へ足早に帰る人に、逆らって歩く人たちがいる。
彼らはとあるビルの地下に吸い込まれるように入っていく。
そこには、アート作品があふれる、おしゃれな雰囲気のカフェがありました。
「カフェ サンシャインスタジオ」ここが今日の教室です。

画用紙が渡され、まずは自己紹介。
今日の生徒さんは7名。好きなもの、好きな場所を紹介しつつ、
質問をし合いつつで、徐々に和んだ雰囲気になっていきます。
が、まだまだ時間はある。「裏ツアー」はゆっくりとディープになっていきます。

AM 1:30
本日の授業サポーターまあやさんによる「おもてサンド」の紹介。
表参道にかける思いが、形になったサイトでした。

毎日更新を目標に、表参道をさまざまな角度から紹介しています。
確かに、こ洒落たショップというよりも、日常につかえるお店を丁寧に扱うサイトという印象。
Web制作をする傍ら作ったというものの、検索が細かくできたりと、かなり使えそう!

AM 2:20
休憩に。まだまだみんな元気。
と、生徒さんの1人がDJブースでDJ的な動き。
さらにまあやさんも加わって、ひと盛り上がり。
こんなゆるい感じも、「裏ツアー」ならではかもしれません。

AM 2:30
いよいよ「裏ツアー」的な動き、夜の原宿界隈を歩くことに。
いつもはふと通り過ぎる道を、みんなでキョロキョロしながら歩いてみると、
歩道の真ん中に旗の掲揚塔があったり、知らなかったお店を見つけたり新しい発見がありました。

さらに、この界隈には、「ヴィラ・シリーズ」と呼ばれるデザイナーズマンション群があります。
確かに古いけれど、おしゃれなマンションが並んでいる。さすが原宿。

そのシリーズのひとつ、「ヴィラ・ビアンカ」の地下にある
メキシコ料理のお店「フォンダ・デ・ラ・マドゥルガーダ」に到着。

「ここはメキシコじゃないか。いや、メキシコだな。」
と錯覚しかねないほど、雰囲気がメキシコ。(行ったことはないですが…)

みんなも「わー」「すごいー」「へぇー」という声を上げながら入店です。

すっかり仲良くなった生徒さんたちが
「カナダの冬は寒い。鼻が知らないうちに取れちゃう」
などなど、そういえば全く表参道でない話で盛り上がっていると
突然、ギターの生演奏が!そして、歌が!!
叙情的な曲を聴きながら、お酒を飲む。もう最高っすね。

個人的には、サングリアがおいしくて。
こんな場所があったなんて、知りませんでした。

AM 4:00
サンシャインスタジオに戻ってきました。
さすがに、4時間経つと疲れが…と思いきや、
生徒さんが各々に話しだします。松井さんやまあやさんが促したわけではありません。
自然に、もうずっと知っていた仲間のように、いろいろな話をしていました。

AM 5:00
ラスト1時間。ここで、事前の課題だった「みんなの表参道のお気に入り」の発表です!
大聖堂、カフェ、歩道橋、明治神宮、美術館…
「こんな場所があったんだ!」と発見の多い時間でした。

中には、まあやさんも、松井さんも知らない場所もあったりと、
表参道はそれほど広くないのに、
人それぞれ、こんなにお気に入りの場所があるところって
他にはないんじゃないかなぁ。そんなことを発表を聞いていて感じました。

AM 6:00
授業終了。
外が明るすぎる。。。光が目にしみて痛いくらいです。
最後は、まあやさんと生徒さんがお気に入りという
原宿駅前の歩道橋で記念写真を撮影。みんないい顔をしてます。
そして、原宿駅でツアー終了。解散となりました。

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今回の授業を振り返ってみると、
原宿・表参道を知る時間よりも、生徒さんたちが互いに話をする時間のほうが長かったなぁと。
それぞれが持っている価値観だったり、お気に入りだったりをみんなで交換し合う場になっていました。
「裏ツアー」は、場所も、人も、巡るツアーなのかもしれません。

そう考えると、はじめに松井さんが言っていたように
表参道は「テーマ」ではなく、いろんな人と出会ったり、価値観に触れたりする「きっかけ」なんですね。

最後に、ツアー後に松井さんから来たメールの言葉が
素敵だったので引用させていただきます。

「裏ツアーの特徴は、『授業が終わったら終わり』とならないところ。ここからが始まりです。」

今回もよいツアーになりました。

(ボランティアスタッフ : 廣部 行彦)