シブヤ大学

授業レポート

2009/5/27 UP

日本の幸、『いただきます。』

日本の幸×東京のシェフによる、月に一日限定で都内に開店する東京ローカルレストラン。
今回はシブヤ大学とコラボというカタチで、岐阜県の幸をテーマに、
ローカルレストランライブ“sachi”が、表参道RINに一夜限りでオープンです。

でも、『なんでローカルレストラン“ライブ”?』と少々ギモンだったのですが、始まって納得。今回の主役となる食材の説明をする生産者さんたちのビデオレターがスクリーンに映し出され、それを見ながら調理される前の食材をまず味わうところから、ディナーが始まりました。
直接生産者さんの顔を知り、声を聞いて、その人が作った素材をいただく。
この五感で味わうディナーはまさに『ライブ』。新しいスタイルですよね!

さて、岐阜県の幸がどのようなお料理に変身したのか?
それぞれの食材の説明を織り交ぜつつ、フルコースの内容をご紹介させていただきますね。

■ ローストポークの牛蒡ロール“初恋りんごジャム”のソースとシナモンバルサミック醤油で
ネーミングが可愛い過ぎるこのジャムは、中津川市で土作りからこだわって育てたりんごを、
収穫後24時間以内に加工して作っている手作りりんごジャムです。
そのため、一日に作れるのは多くて20個ほど。鮮やかな可愛いピンク色で、
味は甘酸っぱくて驚くほどフレッシュ・・・ってほんと、初恋感たっぷりです。
ローストポークと牛蒡にこのジャムの程よい酸味が不思議と合う!

■ 白菜としめじと“せき円空”芋のポトフ クラムストックでコトコト煮込みました
関市で長良川の水を使って育てられる里芋で、甘くもっちりとした食感が特徴のせき円空芋。
このお芋と野菜、あさりがたっぷりのポトフは、薄めのおだしで素材の良さが引き立つ、
何とも癒し系なお味。せき円空芋の焼酎“G−mo”も口当たりがよく、優しい口当たりです。

■ メカジキのカツレツ “名水わさび”のわさび漬けタルタルソースとレモンを添えて
大垣市にて天然水でゆっくり育てられた無農薬、無肥料の名水わさびは、ちゃんと辛いのに
甘さもあって、何か優しい・・・わさびに優しさを感じたのは生まれて初めてっす!
このわさびのタルタルがサクサクのカツレツに合うのは言うまでもなく。
ちなみに、このタルタルに使われている大吟醸の酒粕で作ったわさび漬けが、
個人的にこの日の食材No.1でした。あ、日本酒冷やでください!

■ たまごと一番だしの“べーめん”カルボナーラ カリカリベーコンと新玉ねぎをたっぷり
べーめんというのは、海津市産のお米を原料にしためんで、米麺=べーめん。
しかもこのお米は幻と呼ばれる岐阜の米『美濃ハツシモ』という非常に貴重なお米なのです。太さはパスタと同じ位ですが、色は真っ白で、モチモチみずみずしい。
新しい食感で、今までにないレシピがいろいろ生まれそうな予感のする素材です。

■ いろとりどりのグリル野菜と“奥美濃古地鶏”のおしゃれ鶏ちゃん焼き
鶏ちゃんと書いて、『けいちゃん』と読みます。お刺身でも食べられる安全で美味しい奥美濃古地鶏を郷土料理風に味付けしたものを、芽キャベツやアスパラ、ナスなどのグリルと
合わせた一品。ガッツリ系の味噌味で、白いご飯がすすむ子供も大人も大好きな味でした。

■ “カンコワイヨット”と“ひるがのの牛乳”のババロア 苺のリキュール漬けと一緒に
郡上市ひるがの高原で無農薬の良質な牧草で育てられた牛の牛乳は、甘くて濃厚。さらにこの牛乳と脱脂粉乳を有効活用して作ったチーズソース“カンコワイヨット”を使ったババロアは、牛乳本来の味がしっかりとして本当に美味しい。更にババロアの上にゴロっと乗った
特大のいちごで、女子が完全にノックアウトされてました。

以上がこの日の『岐阜県の幸フルコース』です。
料理のスタイルより、それぞれの幸を活かすことを一番に考えた、舌も心も喜ぶメニュー。
東京ローカル隊隊長齋藤シェフと、そして食材を生産して下さった生産者の方々に、
心から感謝と『ごちそうさまでした!』

ディナーが始まる前は、しーんとした雰囲気のRINでしたが、お料理とお酒が進むにつれて
テーブルごとの会話がどんどん弾んでいき、デザートの頃にはもう大盛り上がり。

美味しいものがもたらすパワーってすごいな~と感じるとともに、このお客様の笑顔がまた生産者さんやシェフの喜びに繋がって、また美味しいものが生まれる・・・そんな美味しい関係が日本中にもっと広がったら、日本がもっと元気になるような気がした夜でした。

(ボランティアスタッフ 片岡 千草)

【東京ローカルレストラン、都内にて月イチで開店中!!】