シブヤ大学

授業レポート

2009/5/26 UP

       

自分自身が一生に使う必要なお金って一体どれくらいなんだろう?って想像したことありますか?
誰もが抱くであろう漠然とした不安をこの授業に参加する事で、解消するきっかけになると良いなぁ
と考えながら、今回はスタッフとしても生徒としても参加させて頂きました。

【授業内容】
  ・前半:ライフサイクルの変化とライフプランに関する座学
  ・中盤:キャッシュフローの立て方をグループワークで学ぶ
  ・後半:リスクマネジメントにおける生活保障と授業全般のまとめ

ライフサイクルの変化と生活設計の必要性について平均寿命が延びているこの時代では、ライフサイクル上のライフイベントの間隔そのものが長くなり、少子化による影響が顕著に現れているとのこと。
--ここまでだと何となく日本人の平均寿命が延びているんだなぁ位にしか思えませんでしたが、戦前戦後での以下のような具体的な違いによってその意味を理解する事ができました。--

■戦前:三世代同居時代は10年間程度であった。
■戦後:三世代同居時代は30年間と長くなっている。

つまり三世代(親の世代、自分の世代、子供の世代)が同居する期間が長くなるので、色々なライフイベントを同時に行わなければならないと言う事だそうです。

例えば、老親の扶養と同時に子供の教育を行わなければならない時代だということ。
--うーん。ここまでで昔よりお金が掛かるという事が良くわかりました。
 残念ながら我々人間は不老不死ではなく寿命が決まっているため、
 その寿命の中での各イベントに必要なお金を何とかやり繰りしなければならないって事なんですね。--

1.ライフプランの効果
目標を明確にし、実現するための手段作りで、それを実行する事で、次の効果が期待できる。
①自分の将来を予測して計画するものなので、将来への備えが可能になる。
②それぞれのライフステージに置ける@出来事に的確に対応する事ができる。
③総合的な人生設計であるのでバランスを取れた人生を送り事ができる。
④漠然とした将来の不安が具体的にはっきりと明らかになる。
それによって対策を考えるなど積極的な人生を自ら拓くことができるようになる。

2.ライフプラン作成の流れ
現状分析、プランづくり、計画表作成、プラン実践、プランの見直し

3.ライフプランを作るうえで必要なこと
(1)ライフイベントの明確化
 これからの私の夢や希望を実現するために必要な事、私にとって重要なできごとは何かを具体化する。
(2)資金計画を立てる
  「私の夢や希望」「重要な出来事」を実現するために必要な資金を見積もる。
(3)収支見通しを立てる。
  1年間の我が家の家計収支バランスを見る=>資金計画や収支見通しの裏づけとなる。

上記1~3のご説明の後に、源泉徴収表の見方、収支構造の考え方、損益計算表・貸借対照表の読み方等など、基本的なお金の計算の仕方をご説明頂き、5人~6人程度でグループワークを行いました。

■グループワークの内容
シブヤ太郎さんの希望のライフデザインでは、約5000万円程マイナスとなり、生活が成り立たないため、
キャッシュフロー表を元に何とかゼロ以上にするために改善しましょう。
と言った内容でした。

■改善前のライフデザイン
・5年おきに車は新車に買い換えたい。
・結婚後は2年に1回は海外旅行に行きたい。
・子供には小学校から大学まで全て私立に行かせたい。
・60歳以上は悠々自適に生活したい。
・結婚後は先ず4LDKのマンションに引越し、45歳位で新築戸建住宅を購入したい。
・奥さんの花子さんには出産後は仕事をしない意思を尊重させたい。

等など贅沢に思えるようなライフデザインから、
各グループで話し合い、以下のような改善案が挙げられました。

■改善後のライフデザイン(案)
・車は軽自動車にして当分買い換えない。
・旅行は国内やアジア旅行にする。
・子供には小学校から大学まで全て公立に行かせる。
・60歳以上も嘱託社員等で定職に就く。 
・マンションには引っ越さず新築戸建住宅を購入する。
・奥さんの花子さんの働く期間を子供の成長に合わせて変える。
・国、自治体からの補助や両親からの支援による特別収入も考慮に入れる。

等など、とても現実的な案が幾つか挙がり、結果的にシブヤ太郎さんの生涯収支はプラス数千万円にすることができました!
このグループワークを参考に自分の理想のライフデザインを作る事ができそうですね。

その他、最低限必要なライフイベントから計画されたキャッシュフローとは別に、収支バランスへ影響をもたらす死亡・病気・ケガ、事故等による損害賠償などの「リスクマネジメント」に対する国や企業等の保障、民間の保険を検討する事の必要性についてご説明頂きました。

将来をデザインすることは、
1ヶ月、1年先といった短期的に使う身近なお金ではなく、
「一生」の間に必要なイベントとリスクに対する支出を考えて、予め計画的に準備することが重要であり、僕のような日々無計画な生活をしている人にとっては、見直すとても良いきっかけとなる、もしかしたら人生を大きく変えられる?それくらいに感じられるとても良い授業でした。

(ボランティアスタッフ 鈴木 貴博)