シブヤ大学

授業レポート

2009/4/3 UP

     

授業中に参加の生徒の一人が「トップブランドは、一流のハード(商品)だけでなく、一流のソフト(アフターケアを含めたサービス)を提供する」と発言されたのですが、まさにそれを実感した授業でした。

Art of Packing.

授業に出る前は、本当に「荷造り」が「芸術」になるのか!?と疑っていたのですが、すぐに、良い意味で裏切られました。講師を務めたルイ・ヴィトンの担当者が用意したのは飛行機に機内持ち込み用としてギリギリ受けいれられる大きさの60センチサイズキャスター付バック「ぺガス60」(37cm x 56.5cm x 18.5cm)」。普通なら、5泊分の服を入れるのがせいぜいですよね。

しかし、その中に、靴3点、コート1点、スウェット1点、バックの1/4を占領してしまうポーチ1点を含め、計21点、泊数にしておおよそ10日分の洋服を、綺麗にパッキングしたのです。

しかも、むやみやたらにつめるのではなく、洋服には極力しわがつかないように、乱暴にラゲージが扱われても中身が動かないように、そしてホテルについて荷解きをするときも(本当に!)数秒で簡単にできるように詰め込んでいました。それは機能的であり、しかも見た目にもとても美しく、本当に芸術としか呼びようのない技術でした。

授業後、僕がいつも服を買っている店員さんのところに遊びに行き、そのことを話したのですが「いや、うちのブランドもパッキングには自信があるんですがそれにはびっくりですね!さすがです」と、脱帽されていらっしゃいました。

そのパッキング技術、なんとお店に行けばやっていただけるそうなのでぜひ、皆さんにはご自身の目で確かめていただきたいのですが、コツは「折る回数を少なくし」「極力重ねず」「重たく、かさばるものは一番下に」だそうです。

授業ではそれ以外にもルイ・ヴィトンの歴史(主に有名なモノグラム柄がどう誕生したか)をレクチャーしていただきました。逸話として「ヴィトンのかばんは船が沈んでも浮くので当時は浮き輪代わりとしても船旅のカバンとして人気があった」程度に聞いていたのですが、それぞれの時代の交通手段やニーズに合わせて形や素材を迅速に対応させていく歴史はまさに「伝統と革新」だと実感しました。

とても素晴らしい講義でした。皆さんもぜひお店のほうに足を運んでみてはいかがでしょうか?

(ボランティアスタッフ 望月 崇)