シブヤ大学

授業レポート

2008/12/10 UP

     

もうすぐクリスマスがやってきますね!
みなさんはどんなクリスマスを過ごされるのでしょうか?
家族といっしょに過ごす方、恋人と過ごす方、炬燵にもぐり込みクリスマス特番をひたすら見続ける方(笑)。様々な過ごし方があることでしょう。

そんなクリスマスに必ずと言っていいほど耳にするこのメロディー。

“真っ赤なお鼻のトナカイさんは~♪”

クリスマスの定番ソングですね。知らず知らずのうちに口ずさんでしまう人もいるのではないでしょうか。
でもこの曲のもととなったお話があることは日本ではあまり知られていないかもしれません。この“トナカイさん”には“ルドルフ”という名前がちゃんとあるのですよ。
ルドルフの物語は1964年にアメリカでTV制作されて以降、毎年クリスマスにアメリカのCBSで放送され続けて高視聴率をはじきだしている人形アニメーションなのです。
さらには、、、、ルドルフのお話と日本には意外な関係があるのです!

■物語のあらすじ
サンタクロースが暮らしているクリスマスタウンにはサンタさんのソリを引くトナカイたちがたくさん住んでいます。そこでルドルフは生まれました。しかし、ルドルフだけは他のトナカイと違って真っ赤な鼻をしていたのです。そのことでいつもみんから笑われて仲間外れにされていました。そんなルドルフの旅先での様々なアウトローたちとの出会いを通じて~人と違っていても大丈夫。それは素敵なこと~というメッセージを私たちに送ってくれる、クリスマスを優しい気持ちで過ごさせてくれる物語です。

■“人と違っていても大丈夫”
この物語は、シカゴに住んでいたロバート・メイによって作られました。彼は妻のエブリンと幼い娘バーバラとともに暮らしていました。当時病弱で寝たきりだったエブリンについてバーバラは父ロバートに尋ねました。
「どうして私のママは、みんなのママと違うの?」
その時、ロバートが“人と違っていても大丈夫”ということを教えるために話したのが『真っ赤なお鼻をしたルドルフ』の物語なのです。その後、ルドルフの物語の評判はどんどん広まってゆき、本になりコマーシャルのキャラクターとなりTV番組も作られ世界中の人々の心を優しくしていったのです。

■日本とルドルフの関係
ルドルフの物語に出てくるかわいい人形たち、そしてその凝った動作。これらを制作したのは、なんとっ日本人だったのです!
アメリカの子供番組のプロデューサーだったアーサー・ランキンJrは持永只仁の代表作『ちび黒サンボ』を観て感銘を受けました。そこでルドルフのTV制作を依頼しました。そして持永只仁ら制作チームによって55分間の物語が作られたのでした。
(※ルドルフらトナカイの動きを表現するのに、奈良のシカの動きが参考にされたとか。事実、人形の動きがすごくリアルです)

私自身、ルドルフの物語を観て子供の頃に戻ったような気持ちになりしみじみしちゃいました。みなさんも大切な人たちとぜひ一度ご覧になって下さい。

一年で最も優しくなれるひととき、クリスマス。
人と人の繋がりを大切にし、優しいクリスマスを過ごしたいですね。

(ボランティアスタッフ 後藤 知宏)