シブヤ大学

授業レポート

2008/12/2 UP

    

会場はほぼ満席、比較的"カタい"印象のあるお金の話の割に、若い世代が多いことに先生も驚いていた。それはまた、若い世代も自分の暮らしとお金の関係について、関心を持っているということを示していた。

入口受付では資料の入った封筒とトータライザーが渡され、「授業で使うテスト問題が入っているので始まるまで開けないでください」とのこと。授業構成は、①FPに関するクイズ形式のテスト、②ライフプランの基礎知識、③テスト問題の解説、④Q&Aという流れで行われた。

15分間でテストを行った後、早速講義へ。「ライフプラン」とは文字通り「人生設計」のことで、人生3大プランとして、「教育」「住宅」「老後」がこれまで通説となってきた。しかし、近年ではライフスタイルの多様化(子を持たない、家を買わないなど)により、これ以外にも留学、資格、海外移住といった個別のプラン、十人いれば十通りのライフプランが考えられる。プランを立てるメリットとして、将来を具体的にイメージすることで、"漠然とお金を使うのではなく"、資金対策が早めに立てられる、予想される問題を早期発見できる、"問題がないにも関わらず"抱えている不安を解消できる、といったことが挙げられる。運用、保険、年金、税金、法律など、様々な分野の知識は一般には縦割りに存在するが、これらを横断的に考えることがFPの役目であり、それがこれからの家計を守る。そして、みなさんにもこれらの分野に相互に関心を持って欲しい!というメッセージが、今回授業の目的とのことだった。

実際に自分のプランをイメージする部分では、ライフイベント表(自分の年表)を作ることで、10年後のシミュレーション、将来予測をする。そこでもしプラン達成が難しいようなら、世帯収入のアップを図る
、支出の内容を見直す、低予算での達成を検討する、大きな支出予定の取りやめ、運用の効率化で利回りアップを目指す、といった改善対策が考えられるが、一番は「支出を減らす」。というのも、自分が何にお金を使ったか(支出)わからない人が多いとのこと。授業会場で実際に先生からの質問「家計簿をつけている人は?」に対して、手を挙げたのは10人ほど。改善策は、支出の無駄をなくすのが最も近道のようだ。

テスト問題は、「インターネットで買った本はクーリングオフできる?」、「パートの収入、いくらまで会社員の夫の扶養家族?」、「6ヶ月満期、年利3%の定期預金に1万円を預けた時6ヵ月後に受け取れる利息は?」といったもので、これらの答え合わせ・解説にトータライザーを用いた。各問題、自分の答えた番号を手元のボタンで押し、会場の答えの割合が見れる仕組みだ。例えば年金に関する問題の正答率が高く、やはり年金に関心を持つ人が多い特徴がわかるなど、とても面白い仕掛けであった。

最後の質疑応答では、積極的に手が挙がった。「ライフプランを立てたいのだが、収入支出運用どこを注意すればコントロールしやすいか?」、「将来のプランを作る際、素人1人では不安なのだが難対策はあるか?」など、それぞれ自分の将来、ライフプランに対して真剣に考えていることが伝わる内容のものだった。

(ボランティアスタッフ 伊藤 龍平)


【参加者インタビュー】
1.「難しかったが、FPに関するたくさんのテーマが取り上げられ、多くの分野に触れることができてよかった。」(ヤスダさん 会社員 男性)

2.一般的な知識を知る機会となった。時代にあったアドバイス、知って得する楽しい話なども聞きたいと思った。(クロダさん 会社員 男性)