シブヤ大学

授業レポート

2008/12/3 UP

「タップはコミュニケーション」、「タップは会話」。
授業中、幾度となくそう言っていた先生。
授業開始、自己紹介の代わりに激しいタップのセッションを披露してくださいました。
先生方のタップに大きな拍手。マット2枚の上に20名弱。
授業は盛り上がりのスタートをきりました。

まず、先生が一夜漬けで作成したプリントと、昔の映画をみながらタップの歴史を学びます。

タップのルーツは、黒人奴隷のコミュニケーションとして用いられていたものと、白人アイルランド人の鉱夫たちが踊っていたクロックダンスが、アメリカで融合したと言われています。
1900年前半、昔は振り付けがメインのショーであり、劇中のパフォーマンスとしてのタップが多いようでした。
授業中に見た映像には、タップの王道イメージであろう、黒人のタキシード姿が多く登場しました。
ただ、それは先生が黒人ダンサーを好きだからかも知れません。
1950年代以降、ロック、ソウルミュージック時代に突入。タップは古いものとなっていきました。
1980年、グレゴリーハインズが映画「TAP」で、今までと違うタップをアピール。
1996年には、ゼビアングローバーがクラシック、ヒップホップなども取り入れた新しいタップを披露しました。
タップは日々進化。定番のままでは衰退します。けれど、誰かが必ず新しい表現手法を見いだすから、変わりながら生き続けるのだなと思いました。

ひととおりお勉強をして、なんとなくタップに親近感がわいたところでいよいよ実践です。
先生の足踏みに合わせてみんなで足踏み。
だんだんリズムが混じってきます…
よく聞いてると「おにさんこちら」のリズムが出てきたり、次第に会話のように聞こえてきました。
足慣らしのあとは、二人一組で4カウントずつ、タップで会話をしてみます。
ータップは昔から、その場でリズムを考え、足で表現してコミュニケーションをとっていました。技術を一方的に披露するダンスではないのです。ー
ペアになった2人、ちょっと遠慮気味の足踏みは、はにかんだ挨拶みたい。

一通りのご挨拶の後、次は3ステップ
『かかと→つまさき→着地』を片方ずつ。
これはみなさん難なくクリア。
が、その後の応用編、シャッフル、シムシャムという代表的な振り付けに苦戦!
『右3ステップ、左3ステップ、右、歩いて、左…??』
頭で考えると混乱します。
それでも何度も足を動かすたびに次第に足音がそろってきました。
すごい成長度です。
2、3グループに分かれてシムシャムをやると、本当にタップでセッションしてる!という雰囲気になってきました。

最後に、みんなで円になり一人ずつタップリレー。
最初とはうってかわって積極的に語る足!
授業の終わりには拍手の代わりに大きな拍足(?)
みなさん、すっかり足で語れるひとになったようです。

(ボランティアスタッフ 松本 沙希)