シブヤ大学

授業レポート

2008/11/25 UP

場づくりは、自分づくり。

これまで、「きまずい」雰囲気をあなたはどれだけ体験してきましたか?
この授業は、そんな気まずさを回避するだけでなく、自分が集まった会をさらによりよいものにするためのもの。

さっそく、はじめましての方同士でのグループトーク。しかもお題は「8分間、雑談してください」というもの。自己紹介ではなく「雑談」というのがおもしろいところ。初対面の大人が5名1組になって雑談をする。天気の話、仕事の話、自己紹介の話…、切り口がかわれば話す内容も各グループで当然異なっていきます。

雑談が終わると、その内容について満足度評価を個々で行い、良かった点・悪かった点を話し合って検証していき、会を盛り上げるためにはどんな行動や姿勢が大事かを分析していきます。まさにトークの因数分解です。

そこでどのグループも共通ワードで出てきたのは、「時間配分に気をつける」「役割があるといい」「頷きや聞く姿勢が大事」「自分の話より相手の話」などなど。みなさん初対面の割にはガンガン意見を交わしあい笑い声がどのグループからも聞こえてきたのは印象的でした。そしてなにより、みなさん発表がうまい!すでに場づくりできてるじゃん!と言いたいぐらいのスキルの持ち主ばかりでびっくりしました。

しかしながら、参加した生徒さんの意識にファシリテーターという意識はありません。ファシリテーターとは、要は場の守り上げ(もりあげ)役。盛り上げるではなく、会自体を冷静に見て参加者が話しやすい演出をする役割の人です。むやみに一方的に楽しくさせるのではなく、参加者自身からの意欲をかきたてるのが目的です。いいことばかりではなく、悪い意見やあまり言いずらいことも会話の流れに出させるようにするのも努めなのです。

個人的な「私」の部分を「公」に出し合っていき、有意義な時間を生み出していきます。
そんなファシリテーターになるための技術は以下7つ。
■ アクティブに聞く
■ 小さい意見にポジティナ可能性を拾う
■ 目線を使う
■ 質問で場を進める
■ 質問を使い分ける
■ 対立点を明確にする
■ 頭の中で、今の話、構成、時間の3ラインを働かせる

なんだか難しい要に聞こえますが、僕なりに簡単に訳すと
「自分も楽しんで、相手に興味を持つ」
これでファシリテーターの存在に近づける気がします。

そんなことを気づかせてくれた授業でした。

(ボランティアスタッフ 鈴木高祥)