シブヤ大学

授業レポート

2008/6/26 UP

エコドライブ、加速前夜。

車のいらない社会をつくるのは難しいけど、
車が悪者じゃない社会は、少しずつだけど、つくっていける。
そんな希望を感じた夜だった。

リニューアルオープン前日の
代々木パーキングエリアが舞台の今回の授業。

先生は、首都高速道路株式会社の永田さん、長谷川さん、丸山さんの3人。(民営化したから「株式会社」!)
首都高の環境に対する取り組みについて教えてもらった。

たとえば、駐車場ひとつとっても工夫がたくさん。
植物が植えられた壁面には、溶岩が使われている。
水をいっぱい蓄えられる溶岩には、微生物がたくさん住まう。
そして植物が根づく頃、そこには昆虫たちが住むようになる。
白っぽいアスファルトは、太陽の熱を吸収しにくくするため。
吸収する分が減ると、夜、コンクリートが発する熱も減る。
だから、夏の熱帯夜を解消する手だてにもなるそう。

そういう、首都高が実施している環境への取り組みを、
クイズを通して紹介してもらった。

建物内に散りばめられたクイズのパネルを、
駐車場から屋上まで、みんなで探しまわる。

出来たての建物のにおい。
文化祭前日みたいな独特の緊張感。
歩き回るだけでドキドキした。

首都高にまつわるクイズは
化学や物理学まで絡んだ、難しい問題だらけ。
たとえば、カフェテリアから出た廃油をどんな風に再利用しているか、とか。
たとえば、都内で渋滞がひとつ解消されたら、
どれだけのCO2が削減されるか、とか。

私ひとりだったら絶対お手上げ。
でも、みんなでアイデアを出しあうと、だんだん答えが見えてくる。

こんな風にみんなが本気で知恵を出しあえば、
どんな環境問題だって解決できちゃうんじゃない?とか、感じてしまった。
ちょっと楽観的すぎるとも思うけれど。

環境への取り組みのほかに、
印象深かったことがもう一つ。
それは最後に先生の一人である長谷川さんが話してくれたコトバだった。

今回みたいに一般の人に対して情報を発信するのは、
民営化によって初めて可能になったそう。
シブ大で授業を行うのも初の試み。

しかし長谷川さんたちは、様々な方に掛け合って今回の授業を実現した。そのモチベーションとなったのは、
「いろんな人に出会って、刺激をもらう」、

そして

「自分の考えと共感する、自分の仲間を増やしていく」
という想いだったそう。

新しいコミュニケーションが刺激になって、アイデアが生まれる。
仲間が増える。
長谷川さんの情熱に人が集まって、
みんなで知恵を出しあえば、
車がエコに楽しめる未来は、きっとそう遠くないだろう。

(ボランティアスタッフ 松本典子)