シブヤ大学

授業レポート

2008/3/3 UP

『胡散臭さの裏側』

今までにない過去最高倍率を出したというこの授業、ダークサイド・オブ・クリエイティブ!!
「幸運にも選ばれた50人あまりの生徒たちのこの強運にも・・・・胡散臭さが漂うね。」という言葉から
授業が始まりました。

胡散臭いって??
私は思わず広辞苑で意味を調べてしまいました。
どことなく疑わしい、なんとなく怪しい、そんな意味が載っていました。
ダークサイド・オブ・クリエイティブという主題より、サブタイトルの「胡散臭さ」という言葉に思わず目がいってしまった私。クリエイティブの世界に胡散臭い??そんな言葉が似つかず、惹き付けられてしまった人がきっと私の他にも多くいたのではないでしょうか。

冒頭に先生方がおっしゃっていたのは、「クリエイティブのカッコいいところばかりに注目してしまいがちである。そして良い所ばかりを学び失敗をしている若者が多い。光には必ず影があるように、クリエイティブの世界にも光と影が隣り合っていることを知ってほしい。」と。
そして・・・今日の授業は危険な話が多いので誓約書を書いてもらうかも、なんていう説明も受けました。どこまで突っ込んで聞かせてくれるのか生徒さん達も楽しみそうな感じでした。

授業の進行順として①自己紹介、②修羅場、③送ることば、④質問タイムという感じで進んでいきました。
先生方が前に座布団に座りそれに向かい合うようにして生徒さんたちが座り、対面式の授業でした。

①〈自己紹介〉
先生方の製作したPVを見ながら、どのようにしてこの“胡散臭い”世界に入っていくことのなったのか。そして、どのような経歴を経て今に至りどんな仕事をしているのかを話してくれました。
ここの自己紹介で結構話が盛り上がってしまい、時間が経ってしまいました。

②〈修羅場〉
修羅場をどんな胡散臭さで乗り切ったのか、どんな胡散臭さ体験をしたのかという話を聞かせてもらいました。
いろいろ興味深い話を聞かせてもらいましたが、ひとつずつ紹介すると終わらなくなってしまいそうなので、印象に残ったものを紹介したいと思います。

ドラマというものは結構アナログな世界。そのため、ドラマ制作の場で雰囲気が悪いとその悪さというものがやはり画面を通して視聴者に伝わってしまう。
あるドラマでそんな状況に陥ってしまった時があり、それを胡散臭さで乗り切ろうということに。現場の雰囲気を変えるためスタッフ全員が突然カンフーの衣装を着て撮影し出したら、雰囲気が変わりその後うまくいった……。

みなさん想像してみてください。
真剣に撮影している現場で全員カンフー姿……。いかにも胡散臭い。でもその胡散臭さがよい方向へ導いてくれることもあるということなのかと思いました。胡散臭さを出しアイディアで乗り切るということらしいです。

③〈贈ることば〉
先生方一人ひとりの最後にお言葉をいただきました。
「心にもシークレットブーツを」
自分のしている仕事のイメージで自分のイメージを持たれがちであるけど、その仕事によって自分を大きく見せてくれることもあるのだ。

「命まではとられはしない」
悪いことであっても命を取られまではしない、悪いことの後にはいいことがある。

「ピッと感じたらパッと行動」
若いうちにはいろいろなことに挑戦したほうがいい、失敗もあるがそれがいい経験となる。

「チャンスに照れるな」
チャンスがあれば自分のしていることがたとえ胡散臭いと思っても照れずに行動したほうがいい。照れずにやった人がその後によい道へ行ける。

④〈質問タイム〉
生徒さん達の質問に答えていただきました。
Q.今まで会った人の中で胡散臭かった人は?どう付き合っていけばいい?
A.胡散臭い人は信用できる。胡散臭い人は悪人ではなくただの小心者である。

Q.本物の胡散臭い人と偽者を見分けるには?
A.直感が大事。サボりたいひとは信用できない。

Q.胡散臭い女性は?
A.自分がバカなフリをして周りを和ませてくれる人。

最後に誓約書ですが・・・書くはずだったのですが今回は書かなくて大丈夫ということとなり、書きませんでした。

私の胡散臭さのイメージは悪い人というイメージでしたが、先生方の言う胡散臭さというものはそうではないようです。胡散臭いというものは時には場を和ませ時にはチャンスを掴むための術であるようです。
どんな世界にも胡散臭さは必ずあると思います。しかし、クリエイティブの世界においては顕著にその胡散臭さが漂うのではないかと思います。胡散臭さ無しではクリエイティブは生まれないみたいです。

そして、今回の授業だけではまだまだ話が終わらないようで、シリーズ化されるかも、という話も持ち上がっていました。そのあたりも楽しみです。

(ボランティアスタッフ 折笠ゆき)

【参加者インタビュー】
1. ヤマギシさん(女性)
「会場も先生方と距離が近くて楽しかったし良かった。シリーズ化されるかもといっていたので楽しみです。オフレコの裏話をもっと知りたかったです。」

2. クワハラさん(男性)
「面白かったです。もっと長く聞いていたかった。誓約書を書かなくてはいけないくらいもっと踏み込んだ話を聞きたかった。会場は先生と近い感じでよかった。」