シブヤ大学

授業レポート

2008/3/3 UP

『つながる 天気と社会と私たち』

2月17日(日)、最初の授業をして下さるのは、さわやかに登場した、おっくん こと奥村政佳先生。テレビにも出ている人気者なのに、気さくで笑顔がとてもステキな方です。早速自己紹介がてら、即興でボイパ(ボイスパーカッション)を披露して下さいました。生で聞くとやっぱりスゴイ!
そんなおっくんですが、今日はミュージシャンとは別に持つもう1つの顔、気象予報士として授業をしていただきました。

正直、普段は、天気って『晴れ、雨、曇り』なんかが分かって、降水確率をちょっと気にするくらい。特に文系の私は、小難しい話はちょっと・・・と思っていましたが、今日の授業はわかりやすく、違う視点から見ることによって身近なものに感じられました。

『天気予報士』と間違える人が多いそうですが、正しくは、『気象予報士』。
現在、日本には約6,000人が気象予報士の資格を持っているそうです。
その気象予報士に初めて興味を持ったのは小学生の時だそう。その後17歳で気象予報士の資格をとり、当時久米宏さんが司会をするニュースステーションに出演された時の映像を見せてくださいました。
ガチガチに緊張している、若かりし奥村先生(笑)。
当時の、専門用語ばかり使っている自分自身を見て、『天気予報を分かりやすく一般の方に伝えることも、気象予報士の役目なんですよね。』と反省しつつも、そのことを大事にされているようでした。

第二次世界大戦中などは、戦略などに大きく関わるため、国家機密とされた気象予報。
それだけ重要な情報だったということです。
ちなみに「台風の予報」と「注意報と警報」は気象庁が出すそうで、気象予報士には出来ないことだそうです。
そんな決まりがあることは初耳でした。
確かに天気によっては、交通機関に影響がでたり、事件、事故につながる可能性だってあるんですよね。

ところでみなさん、天気予報でたびたび聞く「指数」には、様々な種類があるのをご存知でしたか??
一般的に知られているのは、夏に蒸し暑さを表した「不快指数」や「洗濯指数」、「花粉指数」などですよね。ですが、他にも「インフルエンザ」、「心筋梗塞」、「冷え性」などの病気関する指数や、「忘れ物指数」、「交通事故指数」などもあるのです。
これを知っていれば、私の忘れ物ぐせもちょっとは治ってたかも?

なかでもみんな興味津々だったのは、『告白指数』!!
ズバリ最適な日は気温22℃~24℃で、星のきれいな夜だそうです(笑)。
みなさん、勝負をかける時は、まず天気予報をチェックしてからにしましょう!
天気は人間の感情や健康にまで関わっているのですね。

その後、『気象とビジネス』をテーマに講義が続きます。
天気によって売り上げが大幅に伸びたり、はたまた減ったり、天気とビジネスが密接に関係しているのは、そのために人々の行動に変化が表れるからです。
例えば、
『風が吹くと桶屋がもうかる』、ならぬ『雨が降るとピザ屋がもうかる』。
なぜなら雨の日はみんな外出するのを嫌がるからです。
他にも、
『雨の日になると洋書が売れない』→洋書は大きくて重いから、雨の日には持ち歩くのが面倒。
『暑くなると目薬が売れる』→プールに行く人が増えるから
なんて現象も起こるのだそうです。

他にも売り上げが伸びる法則として、アイスクリームは24℃以上、シャーベットは30℃以上、おでんは18℃以下、になると売り上げが急増するそうです。ビールにいたっては、1℃あがるごとに240万本も売り上げが変わるとか。
ビジネスと天気ってこんなにも密接に関わっているんですね。
相手が自然なので、天気そのものをどうにかすることは出来ないけど、それをうまく利用したり、楽しんだり、上手に付き合っていくことが出来るのだなと思いました。

最後にドライアイスと熱湯を使って空気の流れ実験をやったのですが、こちらは残念ながら成功せず・・・。
ペットボトルを使って雲を作る実験、こちらは見事成功しました。

授業終了後は、「本当はもっといろいろと準備してきたんだけど…!もう一度やりたいなー!」とおっしゃっていた、奥村先生。生徒さんからも、アンコールの声が多数届いてますので、是非カムバックしていただきたいです。

(ボランティアスタッフ 古野沙織)

【参加者インタビュー】
1. 尚之くん
「天気が好きで興味があったので、今日の授業に参加しました。尊敬するおっくんのような気象予報士になりたいです。」