シブヤ大学

授業レポート

2024/6/17 UP

【シリアスゲームであそぼう!】

ゲームで体験する「超」高齢社会

「シリアスボードゲーム超高齢社会問題体験ゲーム」レポートシブヤ大学のシリアスボードゲームシリーズも今回で3回目を迎えました。 今回取り上げたゲームは「超高齢社会体験ゲーム」です。講師にはゲームのデザインを手掛けた一般社会法人コレカラ理事の上原さんをお迎えしました。
最初に上原さんの自己紹介とゲームの意義などの座学が有り、その後ゲームを実際に体験することになりました。ゲームの前に‥ゲームは5〜6名のグループに分かれて、それぞれのグループにファシリテーターの方が付いてルールや進め方を教わりながら進行します。 まずグループ内でアイスブレイクの自己紹介で参加した理由や最近のマイブームなどを話しました。参加理由は仕事との関わりや元々ゲーム好きとか自身も高齢者だからなどの理由を上がる方か多かったように感じました。実際にゲームを始めて、あまり細かいルールなどを知らされずにファシリテーターの方の指示に従いながら始めました。 最初は普通のゲームの感覚で進めて行くと、あっという間にゲームオーバーして終了してしまいました。ゲームの内容は簡単に言うと町内の方々の悩みを聞き、悩み毎に必要な人に繋げてそれぞれの悩みを解決してクリアして行くというものなのですが‥
1回目をプレイしてみて皆んな「おや?」と気付きました。このゲームは誰か一人が勝つというゲームじゃ無い‥皆んながどの札を持っているかを把握し、協力して進める事で地域の人々の困り事を解決して行く事でしかクリア出来ないゲームなんだと‥後で聞いたらクリア率は10%程だそうです。
ゲームのルールを少しずつ理解して行くに連れて少しでも長く続くように皆んな手の内を証してグループで話し合って考えて協力し合ってゲームを進めて行きました。少しずつ団結力が高まり、より良い地域になって行くに連れて皆んなが1つになる事が出来、一喜一憂し盛り上がって行きました。これこそがこのゲームの醍醐味だったのです。
最初にシリアスゲームと聞いた時には眉間に皺を寄せて難しい事を考えながらでは無いと進められないゲームなのかと思っていましたが協力することで誰もが住みやすい、弱者を取り残さない地域になって行く事の喜びがありました。皆んなが仲良くなり進め方が分かって来ると楽しくなるゲームでした。
それにしても地域の高齢問題のリアルさには胸が痛みました。正に明日は我が身です。実際の超高齢社会問題はゲームのようには簡単に解決はしない事ばかりでしょうが少しでも当事者の身になって考え解決方法を考える事が大切なのだと考えさせられました。 ゲーム終了後‥上原さんからこのゲームを作るに至った経緯のお話がありました。公務員として働いている時に実際に地域の方の悩みを解決するためにはどうしたら良いかと言うことを考えるきっかけ作りにと考えて作ったゲームだそうです。
ゲーム終了後、グループ毎に輪になって座り皆んなの膝の上で厚紙を支えて丸い紙を置いて今すぐ地域のために始められる事とどんな地域になって欲しいかと言う2つの事を書いて行きました。 今すぐ始められる事としては地域の人に関心を持つ、まずは挨拶から、声掛けをすると言った今日からでも出来る小さな事から始めると言う意見が多く見られ、皆んなが住みやすいコミュニティなる事を願っていました。
授業を振り返って‥上原さんの仰った「超高齢化社会ではありません既に超高齢社会なんです」と言う言葉が「いつか」では無く「今」の問題なのだと言うリアリティが有り胸に迫りました。問題は小さなうちに解決することが大切なのだということです。そのためには常日頃から地域の方に目配り心配りをすることや人と人との繋がりを大切にすることなど弱い人が辛い目に合わない優しい社会になるきっかけになると良いなと思いました。このゲームに参加した方達は既に地域の事を考えられるようになった仲間なんですよという言葉も印象的でした。 まずは小さな事から‥ご近所に住む方に優しい目を向けてみませんか?
上原さんファシリテーターを務めてくださった田中さん犬丸さん鎌田さん気付きをありがとうございます。


(授業レポート:片山朱美)