シブヤ大学

授業レポート

2024/4/2 UP

はじめてのアーユルヴェーダ~オイルを作って、食事に取り入れてみよう~

今回で2回目となるアーユルヴェーダの授業は講師も前回と同じく成川さんをお迎えして開講しました。
今回のテーマは「食」でアーユルヴェーダには欠かせないオイル「ギー」を作ってみようという授業です。

ギーはバターやヨーグルトから油脂だけを取り出したピュアなオイルですが‥なんと私は半世紀以上前に読んだ本の中でギーは牛の脂と訳してあったと記憶していた事から牛の脂→牛脂=牛肉に付いているすき焼きを作る時の白い四角い脂を思い浮かべてしまい‥ギーは牛脂の様な物と言う誤解をしたまま過ごしていたのでした。
今回バターからギーをつくると聞いて子供の頃からの誤解が解けて良かった!そのまま生きていたらとんだすれ違いが生じていたかも知れないと人知れず冷や汗を拭いました。

そんな個人的な話はさておき‥ギー作りの実習の前に講義がありました。ギーは気持ちよく、美味しく、健康に良いオイルである事。
効能としては‥
・消化に良く消化力を高める
・免疫機能を高める
・若返り‥肌、精神、脳の若返り
・便秘解消
・疲労回復
・オージャス(元気成分)を高める
・目の不調改善
・傷の治療
などなどがあります。 現代医学的にもその効果は証明されているそうです。
ギーの使い方は‥
・食事として
・キッチンファーマシーとして
・聖なるお祈りとして
・薬として
・治療としてと様々な使い方があります。

家庭用としては「食べる」ですが炒め物などに普通のオイルと同じ様に使う事や湯煎で溶かしてそのまま飲んだり、火傷に塗るなどの使い方が出来るそうです。講義を聞いてますますギーに対する期待と好奇心が高まり作ってみたくなりました。

次はいよいよ実習です。
2箇所に分かれて同時進行で作っていただきましたが鍋の大きさと火加減の違いで掛かる時間も出来上がりも全然違っていました。
出来上がったばかりのギーは甘い香りでとろりとしたハチミツの様な見た目でした。
その後出来上がりのギーを少し残しておいて更に火を入れて焦がして失敗した状態も見せていただきましたが色が焦茶色になって焦げた香りがしました。焦がしてしまっても焦がしバターとして使えるそうです。
濾して残った物も鍋に残った固形物も食べらる(美味しい)そうなので利用しましょう保存は冷蔵庫では無く常温保存が良いそうです。
冷めたら固まるので瓶から取り出す時は清潔なスプーンを使う事が大切です。常温で数年くらいは持つそうです。
インドでは百年前に作られたと言うギーもが今でも薬用として使われているそうです。


次はお待ちかねの試食タイムです。皮付きの新じゃがをたっぷりのギーで炒めて塩または醤油で味付けしただけなシンプルなお料理でしたが、これが美味しいことと言ったら‥
初めて食べる味でしたが素材の味を引き立てて邪魔にならずしつこくもなく芋のホクホクとした食感を味わえて最高でした。
ギーを上手く使えば即お料理上手になれる味です。
今回参加された方は全員女性でした。
それだけ食に関する事に直接関わる立場の方々に関心があるのだろうなぁと感じました。
とても真剣に講義を聞いて質問したりメモを取ったり実習も近くで何一つ見逃さない様にと熱心に見る姿などが印象的でした。最後に「ギーを直ぐに作ってみようと思った人」と言う先生からの質問に大多数の方が手を挙げていらっしゃいました。
ギー作りは瞑想とも似ているそうなので精神的なゆとりを持つ事やストレスの解消など心の健康を保つ事にも役立つと思いました。
アーユルヴェーダの中でも取り入れやすいギーを作って使う事は今日からでも出来ます。今回参加してとても良かったと思います。
成川先生並びにアシスタントを務めて下さった田中さん鈴木さんもありがとうございました。
(写真:大谷 蓮壽、レポート:片山朱実)