シブヤ大学

授業レポート

2021/1/15 UP

1年後の自分に手紙を送ろう

今回は蔵前の自由丁さんと一緒に、『1年後の自分に手紙を送ろう』というテーマのもと授業が開催されました。

皆さんは自分に向けて手紙を書いたことがありますか?
少なくとも私はこの授業を体験するまで、自分に対して手紙を書いたことがありませんでした。それと同時に改めて自分と向き合う大切な時間を過ごすことができました。

1.「誰かの手紙」を読むこと

授業で実際に手紙を書く前に、自由丁さんで書かれた匿名の方の未来の手紙を読む時間がありました。未来の自分にエールを送ったり、最近見た映画で心に残ったワンフレーズを共有したりなどそれぞれ短い手紙でしたが、溢れる思いや色が全く違い参加者の皆さんも自分の気持ちと照らし合わせてじっくり読まれている様子でした。普段は読むことのできない誰かの手紙を読むことで逆に自分が励まされたり、自分の中で手紙に対する畏まったイメージが払拭されて手紙に対する見方が変わったと感じました。

2.未来の自分へ手紙を書いてみよう

手紙を書く前の準備運動を終えて、実際に一年後の自分へ手紙を書いていきました。
自分への手紙は5種類ありそれぞれテーマが異なる中で、一年後の自分と今の自分の気持ちを照らし合わせてテーマを選びました。私は一年後の自分へ抜けて、やりたいことを叶える、理想の人物像へと近づくためのエールを送る「答えを出す、綺麗な夕暮れ時の手紙」を選びました。(会場の皆さんの中でもこの手紙は一番人気があったように感じます。)
テーマに合わせた封筒の中には、ポストカードと一緒に「自由丁」のオーナーである小山さんのエッセー葉書と「リフレクションカード」が同封されていました。エッセーはテーマごとにぴったりな内容が書かれているらしく、私も実際にこの文章を読んで今の自分の渇いた気持ちを潤してくれるような励まされる内容に感動しました。
またリフレクションカードとは、今の自分の心の引き出しを開けてくれるような質問カードとなっています。この質問に答えることで今の私はどんなことを感じて生きているのか、何を大切にしているのか、心の素直な気持ちを書き表すことができました。これを元に実際に皆さんで一年後の自分に手紙を書いていきました。
一時間ゆっくり時間を使って今の自分の心と素直に向き合う時間はとても充実していました。

3.一年後の自分へ手紙を書くということ

今回「一年後の自分への手紙」を書いて気づいたことがあります。それは自分の素直な気持ちを蔑ろにしていたということです。

2020年新型コロナウイルスが流行したことで生活スタイルがガラリと変わり、不安に感じた日々が続きました。
そんな中でも自分にできることは何なのか、新しいことをはじめなくてはいけないのではないか、身近な人へより気を配らなくてはいけないのではないかと、溢れる情報に左右されて焦る思いが募る反面、「本当に自分がやりたいことは何なのか。何を大切にしているのか。」という根本的な部分を受け止めていませんでした。
でもこの授業を通して手紙を読み、実際に書いてみたことで、改めて自分はどんなことを普段感じているのかを見つめ直すきっかけができました。
1年後という遠くはなくとも少し想像がしにくい近くの未来に、自分はどう生きているのか、どう生きていて欲しいか思いを馳せることで未来に希望を持つことができ、また今日から一日1日を大切に生きていこうと思うことができました。

自分に向き合うことができれば、相手にも、いずれ社会に対しても思いやりが深まると思います。皆さんも「手紙」というささやかなプレゼントを通して、まずは自分を思いやる時間を作ってみてはいかがでしょうか。


レポート:相樂圭乃