シブヤ大学

授業レポート

2020/6/4 UP

「ギフトに生きる」とは、
「見返りを考えず自分のできることを人に提供していくこと」

今回は、石丸弘先生と、自然(じねん)に生きる〜循環型の社会創造〜vol.01「ギフトに生きる」というテーマの授業をオンラインで行いました。

はじめに、「ギフトとは?」という問い。
参加者も画面越しに少し頭を悩ませている様子でした。

その後、先生のお話のスタート。

石丸さんにとっての「ギフトに生きる」とは、
「見返りを考えず自分のできることを人に提供していくこと」なのだとお話ししてくれました。

具体例として、「ギフト経済」と「交換経済」をいう図を取り上げ、分かりやすく伝えてくれます。
「交換経済」とは、「自分が何かを与えたら、相手も何か与えなければならない」という「give&take」の関係性が基本。一方で、「ギフト経済」とは、相手から受け取ることを期待せずに、「自分が渡したいように渡す・楽しいから渡す、一方通行でもOK」を大事にする関係性からできています。


「ギフトに生きる」ことを大切にし、見返りを考えず自分のできることを人に提供していくと、広く信頼の関係が構築され、相手や周囲からもギフトされることが多くなっていくといいます。そして、交換経済とは違った循環につながっていくんですね。
ちなみに弘さんの今までの例をあげると、別荘の鍵や秘書といったものをもらったことがあるそうです。なんだか驚きですよね...!

そして、これから意識してほしいと弘さんがおっしゃるのは、世の中がギフトに溢れているということ。
あいさつすること・掃除すること・仕事をすること・会話すること。何気なく普段の日常で行なっている小さなことも、受け取る側の人が喜んでくれれば「ギフト」になるといいます。参加者の方も、自分がいつもやっていることが「ギフト」と結びつきはじめ、理解が深まっている様子でした。

こうして弘さんに「ギフト」について話していただく中で、気になる質問が一つ出てきます。
「弘さんはいつからギフトに生きるようになったのか?」。

みんな気になるこの質問に弘さんは、小学校の頃の恋愛エピソードを取り上げながら答えます。小学生のときに好きな女の子がいて、「優しい男になればモテるようになるのでは?」と思ったことがきっかけ。結局恋を実ることはなかったようですが(笑)、それからギフトに生きる・優しく生きることを大切にするようになっていったといいます。
一気に親近感がわくエピソードでした。

ただ、「ギフト」するときにも無理は禁物。
「ギフト」することにこだわりすぎて、苦しくなってしまったら、元も子もないといいます。自己犠牲でなはく、選んでギフトする・無理なくギフトすることこそ、「自然体」な生き方につながっていくのです。
また「自分や相手の存在自体がギフト」その言葉でも心が温かくなりました。

こうしたお話を聞いたあと、お互いのライフストーリーを話してフィードバックをしあったり、「自分がギフトできること」について紙に書いてもらったり、ギフトの感覚を感じてもらって授業は終了しました。

なにもしなくても、人は存在自体がギフトかもしれない。
世界はギフトにあふれて豊かなのかもしれない。

そんな優しい世界への招待状のような授業でした。

(授業レポート 田口大喜)