授業レポート
2019/11/7 UP
~Halloweenの街に繰り出そう!~奇々怪々のお面づくり
今回の授業は「奇々怪々のお面づくり」です。多くの方にとってお面は、節分やハロウィンだけで見かける、ちょっと遠い存在ではないでしょうか?
先生である、不二真直(ふじ ますく)さんは、300枚以上もの民族仮面のコレクターです。ルーツは子供時代に出入りしていた狂言の舞台裏にあった能面だそうで、民族仮面の「土の香り」が好きで、現在はモバイルミュージアムを主催されています。
まずは、先生から民族仮面についてレクチャーを受けます。持参された4つの仮面の出身地は、インドネシアのジャワ島、アフリカ、韓国、そして日本。それぞれの色や形が異なるのは、宗教の違いだけではなく作った人の思いも関係しています。ときには恨みがこもっていることもあるそうで…。みなさん熱心にメモをとったりしてお面の背景を学んでいました。なるほど、意味を知ると表情がよりリアルに見えてくる気がしますね。
そしていよいよお面づくりが始まります。生徒の皆さんは、すでに作りたいイメージが固まっていたり、インスピレーションに任せたり、スタート地点はいろいろです。先生が準備されたいろいろな輪郭のお面を、何度も試着(?)してやっと選びます。
装飾用に用意されたのは、絵の具、フェルト、カラー和紙です。はじめは黙々と作業に取り組む時間でしたが、多くはない素材だからこそシェアする中でお互いのデザインに関心がでてきます。「デスクで上司除けに置く?」、「就業規則で仮面はだめなんて決まってないもんね。」あれあれ、みなさん意外と普段使いしたいのかもしれません。
1時間ほど作業をしたところで、ついに作ったお面をつけて街歩きタイムです。
コーディネーターの波木さんが「恵比寿ガーデンプレイスまで」と言った瞬間、生徒の皆さんからは「ひえ~~~」との声が!こうして恐る恐るスタートをきった仮面行列でしたが、教室を出てみると馴染むのは一瞬。周りから注目を受けても、デザインのおかげで目が合わない、自分自身を認識されないというのは新鮮な感覚です。
また、民族仮面やそれを作った人を想うあまり「仮面をつけるのが怖い」とおっしゃる不二先生は、このときばかりと何者かになりきっていらっしゃいました。通り過ぎる親子や外国人の方が笑ってくれてよかったです。
折り返し地点の恵比寿ガーデンプレイスでは集合写真を撮影しました。お面だと「もっと笑って!」や「目をつぶった人がいるのでもう一枚撮ります!」が無いので、意外と便利かもしれません。帰り道には、身振りの大きなポーズで撮影したりしてそれぞれのお面タイムを満喫しました。
最後に、教室に戻って振り返りです。今度の海外旅行に持っていきたい方、恥ずかしさを乗り越えるスイッチにしたい方。参加の動機やお面の用途はさまざまですが、総じて皆さんが、はじめよりなごんだ表情で感想を述べられていたのが印象的でした。
ハロウィンの起源は先祖の霊をお迎えし悪い霊を追い払うお祭りだそうで、人と霊とがごちゃ混ぜの状態です。一方、不二先生は「民族仮面には人の想いがこもり、神がやどる」とおっしゃいます。お面はもしかしたら、色んなことがある世の中で自分の意外性を引き出すのにちょうどいいツールなのかもしれません。