野菜デス。～なんだか最近「野菜」が気になる人へ～

肉や魚、卵に米類･･･と、いろいろな食べ物の中のひとつである「野菜」。なんだかそれが最近、私たちの気になる存在になっています。理由のひとつは、〈健康志向〉と〈ヘルシーブーム〉によって「もっと野菜を活用するために知識を深めたい」という関心が高まっていること。その一方で、〈残留農薬〉や〈産地偽装〉の問題などによって、これまで何気なく口にしていた野菜たちが、いきなり謎に包まれてしまった「不安」がもうひとつの理由。

そこで今回は、「おいしいから」「体にいいから」といったイメージとしての健康志向や自然志向からさらにもう一歩踏み込んで、「本当においしい野菜を選んで買うにはどうすればいいのか？」を主題に授業を行いたいと思います。先生には、農家と消費者を直接に結ぶWEBサイト『やさい暮らし』を立ち上げ活躍している伊藤志歩さんをお迎えします。

「モノだと思うから、より安くいいものを買おうとする。農家は追いつめられる。農薬や化学肥料をつかって収量を上げざるをえなかったり、安い輸入ものが増えれば農家を廃業せざるをえなくなったり、結局、消費者がソンをすることになる。」と伊藤先生は語ります。つまり、モノを買っているという感覚ではなく、“自分の代わりに農家さんに作ってもらっている”という感覚へシフトしていくことが大切なのです。

つくり手の「顔」が見えるような流通の仕組みも生まれてきている昨今、食糧自給率の低下や、安全性が問われているのもまさに現代の食糧事情。大事なことは、情報を得て終わりにするよりも、見えた顔が泣いているのか、笑っているのか。それは今だけなのか、これから先も続いていくのか。そんなことに想いを馳せられるようになれば、受け手として一過性でも一方的ではない関わり方が、ひとつの野菜を通して作られるのではないでしょうか。この授業をきっかけに、「農家の方の笑顔を想像してついつい有機野菜を買ってしまったワ」なんて人たちが一人でも現れてくれることを願っています。

【授業の流れ】
■15：00　講義

■16：30　ワークショップ

■17：00　終了