シブヤ大学

授業レポート

2015/5/22 UP

自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり(第一回)

日本の伝統文化のひとつである「着物」
最近、アンティーク着物や和柄の小物を見るたび、
今年こそは、着物を着る機会を増やそうと思ったりします。


さて、昨年に引き続き
自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり(第1回)が開催されました。
今回、3回の授業の1回目のレポートになります。


授業スタイルは、半身を授業で教わり、残りの半身は宿題。
自宅で、教わったことの復習が出来ると考えると
ある意味、合理的なスタイルだと思います。


講師:タミカ先生、助手:あや先生
昨年度の生徒さん3名も応援にかけつけてくれました。


■第1回の授業行程
(1)準備
   ・反物選び
   ・採寸表をもとに身頃サイズの確認
(2)裁断
(3)印付け
(4)縫う
(5)宿題


今回の授業のメインは、(2)の反物の裁断です。ここで間違えたら大変です!


■(1)準備


反物は、古典的な絵柄からモダンな絵柄まで、幅広くそろっていました。
参加された方々は、既製品の浴衣では、あまり見られない絵柄を選ばれているように感じました。
採寸では、和裁での単位は「寸」を使うそうですが、今回は、わかりやすく「cm」を使ってくれました。
寸法の決め方ですが、男物と女物では異なるそうです。
例えば、男性は、女性のように衣紋(えもん)を抜く着方をしないので、
「繰越(くりこし)」と呼ばれる背部分を2cmほどずらす行程は必要ないそうです。
これは、浴衣をつくるときに得られる情報かもしれません。


■(2)裁断

まずは、反物の全長を測り、長さが足りているのか確認をしました。
そして、裁ち絵図を参考に、裁断する位置、同時に模様の配置など反物の見積もりを
先生と相談しながら決めました。
特に、模様の配置は、シンメトリーや疎密などのバランスを工夫しなくてはいけません。
先生たちが親身にアドバイスしてくれたこと、生徒たちは本当に心強かったと思います。


■(3)印付け

和裁道具の「コテ」を使って、縫う位置、袖をつける位置に印をつけていきます。
コテは、小さなアイロンのような物で、先端部を布地に押しつけ凹みをつけるのですが、
チャコではなくコテを使うのは重ねた反物の下にまでに印を付けらるメリットが あるそうです。
小学校の家庭科の授業で、教わったかしら?(笑)


■(4)縫う


(1)~(3)までの行程が完了したら、実際に縫う作業に入ります。
繰越しの「揚げ」を縫います。
和裁士は、「運針」という技法を使って縫うそうです。
ざっくりいうと、針を持つ右手を固定して、布を持った左手だけを動かして針を運ぶ技法のようです。
さすがに、出来ませんので、無理せず、ひと針ひと針ゆっくりを縫っていました。
浴衣の場合、縫い目は3~4mmが目安とのことです。


■(5)宿題


宿題は、背縫いです。
ほぼ自分の身長と同じ長さを2回縫うイメージです。
タミカ先生は、「絶対宿題はやってきてください」と何度もおっしゃっていました。
忘れないうちに、今日、明日中にやってしまうのが一番です。


1回目の授業を終えた生徒さんたちは、
縫う部分が多く、一瞬、不安な表情になったかと思えば、
かたちとなってきた、自分の浴衣を見て笑顔。
皆さん、出来上がったときの喜び、どんな場所に着ていこうかなど
これからの楽しさの方が大きそうでした。


第2回も頑張ってください!


ものづくりは、本当に楽しいですね。


 
(写真:西澤一宏/レポート:荒井雅代)