シブヤ大学

授業レポート

2007/6/21 UP

自然の恵みを、編む、編む編む。

今回のMOTTAINAI学科は、35年の間編み物を教え続けてこられた多田洋子先生の、「生まれて初めて編み針を持つ人のための授業」でした。
古くなった布を裂いて編み、新しい使い道を与えるというだけでも「もったいない精神」は充~分に感じていただけることと思います。
(先生が当日お召しになっていたサマーセーターは、7年前にご自身がガーゼを藍染めして編まれたもので、1度染め直したものの今でも重宝しておられるとか。ものを大切に長く使うって、素晴らしいですね。)

でもこの授業に込められた「もったいない」は、それだけじゃないんです!

編み物は自然の恵みを自らの手で加工し、生活に役立つものを作るという文化。その素晴らしい文化が日常の風景から失われつつあるのは本当にもったいない!!!という先生の想いがこもっているのです。
だからこその、ほんとうに初歩からの丁寧な授業でした。

まずは布を1cmくらいの幅に裂いて、リボン状にします。
布の端にハサミで切れ目を入れ、そこから手で裂いていくのですが、
このときの幅が後々の編みやすさや仕上がりに影響するので太くなりすぎないようにします。けっこう手の力がいるので大変。。

次に、編み始めの「目」をつくります。
ここでついに「ドッグ棒」が登場。
なんと、よくアメリカンドッグなんかに刺さってる、あの棒ですよ!
目作りは慣れるまで少しややこしいので、初心者は最初のチャレンジに遭遇です。

そして、ひたすら編む編む。
ゆったり目に編むのが、楽でキレイに仕上げるコツのようです。

最後に編み目をとじて出来上がり。

みんな同じ素材、同じ方法なのに仕上がりは個性いっぱいです。
のんびりさんだったり、几帳面だったり、編み目には性格があらわれます。先生ならきっと「編み目性格診断」ができちゃいますね、なんて話まで出ました。

編み目が個性的なら、編む姿も個性いっぱいでした。
先生の動作をマネるのに四苦八苦しておられたのに編みの原理を理解した途端にスムーズに編み進む生徒さんがいて驚いたり、初めて持つ編み針に眉をぎゅうっと寄せて苦戦する生徒さんに普段から編み物がお好きな生徒さんがアドバイスして下さっていたり。

生徒さんどうしにも教えあうコミュニケーションがたくさん生まれました。
「編み物が好き」「エコに興味がある」など、それぞれの参加のきっかけが違うからこそ生まれる様々な会話はもっともシブヤ大学らしいもののひとつかもしれませんね。

作業の合間には先生の様々な作品を見せていただいたり、3名の生徒さんに著書のプレゼントがあったりと盛りだくさんの2時間でした。

最後は生徒さんそれぞれがご自分の作品を手に持っての記念撮影。
今ごろ皆さんのおうちで、どんな風に使われているのでしょうか。
ぜひ、1枚で終わらず次の作品にも挑戦していただけたらと願っております。

(私も家で古布がでるのが楽しみです!ボランティアスタッフ藤原紘子)

【参加者インタビュー】
1.オカヤマさん:
年齢も肩書きも問わず、こういったことを学べる機会があるのに「受講しないのはモッタイナイ!」の精神でMOTTAINAI学科を連続受講しています。いままで捨てたり雑巾にしていた古い布をリサイクルして、身近な道具をつくれるなんて素敵ですね。
2.「常連」さん:
楽しかったです。今日をきっかけにマスターします。サンダルやわらじなども作れそうですね。MOTTAINAI学科でわらじ作りがやってみたいです!
3.「コロちゃん」さん:
普段から編み物が好きでよく編んでいます。編み物といえば毛糸&冬物というイメージが強かったけど、裂き布素材なら洗濯がずっと簡単ですね。特にワイシャツを裂いて作ったバスマット(先生が見本を持ってきてくださっていたもの)は、日常にとても取り入れやすいですね。