シブヤ大学

授業レポート

2010/5/10 UP

マクロビオティック入門 〜食から考える自然環境〜

4月17日(土)「マクロビオティック入門~食から考える自然環境~」の授業が開講されました。生徒は約40名で9割が女性という参加状況でした。
女性の食に対する関心の高さが感じられた。

授業前には生徒全員にマクロビオティックで作られたクッキーがふるまわれ普段味わうことのないクッキーを口にできた。
 
私たちの生活には幸せなことに食があふれているが玉石混交で有機農法の野菜や無添加の食品がある反面ファストフードやジャンクフード、インスタントフードも存在し、それらを口にしている私たち。
添加物や化合物のない食事をすることは不可能なのではないか?講義を聞いて同時に思った。


講師の中川実恵先生から
「マクロビオティック」の語源は古代ギリシアヒポクラテスが使っていて
Macro  ・bio・  tic
偉大なる  生命の 術

だということを聞いた時、いかに食が人間にとって大事でかつ古代から現代まで人間によって考えられているかを感じました。

私たちが口にしている塩は99%のものが人工的に精製されている「塩化ナトリウム」で、天然のものは60種類以上の元素を含んでいるのに対して、私たちは栄養が無い塩を口にしてるということには現代社会の食について無知だったことに気付かされました。


中川先生からは【身土不二】、【一物全体】という食と人間を表現した仏教用語が紹介された。

【身土不二】
身(からだ)と・土(土地)は・不二(分ちがたくむすびついているもの)
※マクロビオティックでの<身土不二>の意味は「暮らす土地の旬のものを食べる」というものです。その土地の旬のものを食べるとその土地の環境・風土に適した身体が出来、健康でいられると言う考えに基づいています。

【一物全体】
1つの生命(食材)は、そのもの全体で1つの命を持っていてバランスを保っている。その全ての部分を余すことなくいただく

豊かな食生活に慣れてしまった私たちに「食と人が気付いてきた伝統・歴史」を昨今の私たちは自身が破壊してしまっている気がした。
でも、昨今のマクロビオティックやスローフードという言葉が認知されてきていることは、私たちが現代の食について違和感を感じているからかもしれない。

 
授業終了後、生徒の皆さんから食事法や食の成分に関する質問が中川先生に投げかけられた。

食を大切にすることは自分を大切にするだけでなく環境を大切にすること。

食は人を作り、その人の周りの環境も作る。
普段の忙しい生活で食を軽く扱ってしまっていたが、少しでも意識を向けて、食を大切にすることで自分を社会を大切にしていきたいと思いました。


(ボランティアスタッフ 金子智弘/東京にしがわ大学留学生)