シブヤ大学

授業レポート

2010/5/1 UP

明治神宮で田植え!! ~一緒にやりたい人募集ガイダンス~

NPO法人 響のみなさんと一緒に稲作をやりたいメンバーを集めるガイダンスの今回。

明治神宮の中の田んぼに出て良い土をつくるために表層と深層の土を入れ替える
「天地返し」を行うということでした。

さて、生徒さんの様子は?先生ってどんな人?「天地返し」をしてどうだったの?
などなど疑問があると思います。

疑問にお答え出来ればいいなと思いながら、授業当日どうだったのか。
レポートをお送りします。いや~、いい汗かいちゃったなぁ。

◯残念な天気が一変。
4月17日の朝はなんと雪。気象庁の観測史上1位(同率)の遅さ、昭和44年の4月17日以来41年ぶりだったそうです。
残念な天気もお昼には、青空になりました。気持ちのいい青空、上空の雲が都会のサラリーマンのように駆け足で流れていました。
余談を耳にしたのですが、今までシブ大の授業のときに授業が中止になるぐらいの雨ってふったことがないそうですよ。学長の左京さんの晴れ男パワーのおかげなのだとか。

◯集合・授業開始
集合時間になると、生徒さんが明治神宮原宿門へと続々と集まってきました。
参加者の半数以上、可憐な乙女でした。
授業内容から、漠然と男性参加者が多いだろうと想像していましたが、違いました。
びっくりです。
全員が集まった所で、先生を交えて簡単なオリエンテーション。集まった生徒さんの格好を見ると、長靴を履いて来ている方や、上下レインコートで完全武装されている方。田んぼに入ることを考えた格好の方ばかり。格好からも熱意を伺えました。

先生はNPO法人 響の小林さん、中村さん、タツノさんの3名。
みなさんとても元気な方でしたよ~。
一通りオリエンを終えたところで、いざ授業開始!

◯明治神宮の境内を歩きながら、
授業が始まり、
響さんのブースで響さんの活動について説明を受けました。
その後境内に入って田んぼまでのグリーンウォーク。
少し前までの雨のおかげで明治神宮の境内の空気は冴えた印象です、呼吸をすると鼻の奥に森の香りを感じました。雨露に濡れた地面や木々の葉が、太陽の光でキラキラと光っていました。
グリーンウォーク中の要所、要所で先生の小林さんが明治神宮にまつわるエピソードを教えてくれました。
知らなかったことが沢山ありました。

例えば、
・明治神宮内の御苑は明治天皇が皇后の為デザインし造られた。皇后のことを大変愛していた証。
・明治天皇は近代化を推進した。明治天皇自ら洋髪に断髪。洋食を取り入れられたりした。
・第二鳥居の高さは12m、柱の太さ1.2m、横幅17m、木造の明神鳥居では日本最大。

などなど。明治神宮に関するエピソードだけでクイズ大会が開けそうでした。

グリーンウォークをしていると、小林さんの話しや明治神宮の自然のおかげか、
生徒さん同士が打ち解けて徐々に話し声が聞こえるようになりました。

グリーンウォーク終盤、小林さんの合図と共に生徒全員で森の中で目をつむり、視覚以外の五感で明治神宮を感じるということをしました。違った視点で明治神宮を感じることができました。

明治神宮を知ることは、今回の授業がただ田んぼ作りをする以上の意味を感じさせてくれる。
そう思えました。

◯田んぼ
グリーンウォークを終え、いよいよ田んぼにつきました。
用意された農具を各自手にとり、先生のレクチャーを受けてすぐに「天地返し」を開始。

<「天地返し」とは>
土を30cm程掘り返して、表層の土と、下の土を入れ替える作業。これにより、害虫の予防、雑草の根を根絶やしにするなどの効果が得られる。(Google先生調べ)


小さな田んぼでした。3つに区切られた田んぼそれぞれに約30名の生徒さんが入るとぎゅうぎゅうです。
各自横に並び、天地返しを行います。一列掘っては折り返して、同じ列をもう一度掘る。同じ作業を何度もやるのです。なぜか、それは大きい塊になっている土を細かくする為。天地返しで土を細かくしておかないと、水を入れた後では土を細かくするのは困難なのだそうです。きっと細かい方が稲の根づきもいいのでしょうね。

ある程度細かくなった所で、休憩。天地返しでみなさん熱くなったのか、上着を脱ぐ方が多かった。
それと、こころもあったまったみたいで、生徒さん達から自然と笑い声も漏れてきました。

土を掘っていると発見が多いです。田んぼの土は粘土質。虫が住んでいる。農具への力のかけ方など。
休憩のとき、後ろを振り向くと高層ビルが立っていました。田んぼとの対比が面白かったです。

休憩が終わったら作業の続き。モクモクと作業する方。話しながら作業する方。性格が出ます。
先生達もいい土になるように一生懸命指導してくれました。小林さんのクワ使いが芸術的で感動しました。

土も十分細かくなった所で最後に水を田んぼに引き込むために、田んぼの内側を土手に沿って溝を掘りこの日の「天地返し」は終了です。

全員で役割分担しながら、農具を洗って授業終了となりました。
泥だらけの服と、気持ちのいい達成感。この2つがこの日の収穫になりました。

◯未来。
授業を終えた後もこの田んぼで稲を作ります。

稲作りは普通の農家の方でも大変なのに、無農薬・手作業で稲を作ります。手間がかかります。
とても大変です。小さな田んぼだから、手間がかけられるのかもしれませんね。

これから稲には雑草だったり、害虫だったり、病気だったり、台風だったり、壁が立ちはだかります。
壁を乗り越えるのはあくまで稲。私たち人間はただ壁を乗り越える手伝いをするしかありません。
考えていて、どこか親と子の関係に似ていると思いました。

その子(稲)が手塩にかけて育てて、育てたらどんな子に育つのか。とても楽しみです。

収穫したら、お米は響のみなさんと食べるそうです。

きっと、おいしいんだろうなぁ。


(ボランティアスタッフ 太田 康介)