シブヤ大学

授業レポート

2008/12/5 UP

サラリーマンであれば仕事を取り巻く人たちとのコミュニケーションは必須!その極意が書き記された『サラリーマン合気道』の著者である、本学科長箭内氏と、編集に携わった編集者日野さんにレクチャーいただきました。

— サラリーマン編集者日野さんと本学科長箭内氏のコミュニケーション

サラリーマンにとって面談する時間も限られてくる中でコミュニケーションの中心となるメールでのやり取りは、諸連絡以外のパフォーマンスがその後の関係性を変えていくモノである。例えばお礼をメールではなくお手紙を万年筆で書いてお送りするなどのひと工夫が相手の心を揺さぶるラブレターとなる。また言葉で伝える一瞬よりもメールの文章で明文化されることによって嬉しい言葉や気になるフレーズを残すことができる。

※お二人のメールのやりとりから、メールの書き方は関係性やシチュエーションによって変わってくることが明らかになった。

◎署名◎
・ 冒頭はフルネームと会社名。しめは漢字の署名
→起立して礼をするようなかしこまったイメージを持たせるよね。
(クリエティブディレクター箭内氏)
・ ひらがなでの署名
→普段の仕事から離れフランクな内容の時にはひらがなの署名にします。
(編集者日野さん)
・名前もなくいきなり「ありがとうございます!」などの文章から始まる。
→返信メールのため名前を書きません。(編集者さん)

◎ シチュエーション◎
・ 言葉では話さないことをメールで熱く語ってしまう方がいました。
(クリエティブディレクター箭内氏)

・ メールの宛先を一人に送るのとcc(※注1)を含めて2人に送るのとでは文章の内容が違う。ちなみに原稿を送る際にはccを入れない。(編集者日野さん)

(※注1):Carbon Copy (カーボンコピー) の略。
インターネットの電子メールでは、まず『主な宛先』 (To:) に“こんな内容を送りましたよ、読んでおいてね” という意味で、メッセージを送りたい相手のメールアドレスをこのヘッダに書く。メールの「一斉送信」を行ないたい場合に使われていた機能。

※お話は実際の仕事を取り巻く人たちとのコミュニケーションについてと移っていく…

◎編集者日野さん
担当しているpapyrus(パピルスhttp://www.g-papyrus.jp/)のインタビューする有名人や著名人は、その人が普段外へ出しているキャラクター以外のバックボーンを知ることができますね。ただし目の前に居る人が一番特別だと思わせる行動が必要です。そしてその方法の1つとしては、編集者が作者や著者にお手紙を送ることがよくあります。それから仕事が日程的に重なってしまって、クライアントにキャンセルをした時、自分よりも重要な仕事が何だったのかっていう情報が伝わってしまうと怖いですね。

◎ クリエイティブディレクター箭内氏
担当しているクライアントの広告はどのクライアントに対しても同じくらい思い入れがあるんですけど、たまたま複数のクライアントとパーティーではちあわせてしまうと困ることがあります。やっぱりどのクライアントも「オレのこと一番だと思ってくれているんだろう」って期待があるんですよね。
クライアントとのコミュニケーションには一対一でしか与えられない愛のギフト(特別なコミュニケーション)が必要なんですね。

※ 最後に箭内学科長より締めのお言葉!

今回の風とロックの表紙も無名バンドですけど、やっぱり有名無名を通り越して、その時イイと思った気持ちを大切にしてお金を使ったり、仕事をすることっていいよね。よく楽しい仕事を楽しそうにしていますね!って言われます。外から見るとやりたいようにやってロックな感じじゃないって所じゃないですかね?でも本当は日々そんなに楽しいことばかりじゃないです。サラリーマンの日常を見てもなんだか楽しいテンションを持ち込むのがNGみたいな感じがあったりして…。それでも楽しいフリをしていると楽しい仕事が来るようになるし、いつの間にか演じている自分が本当か嘘か分からなくなりました。それまで長い年月かかったけど、楽しそうって思われるのってやっぱり気持ちいいですね。

【ボランティアスタッフの視点】
サラリーマンってかっちょいいなー楽しそうだなって言うイメージってなかなか持ちづらいと思うんですけど、お二人のお話を聞いていて、こんな楽しいコミュニケーションができる相手に出会えるなら、サラリーマンもなかなか悪くない!と感じました。楽しいお話ありがとうございました。

(ボランティアスタッフ 渡部 彩子)