シブヤ大学

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第十八回テーマ

地域福祉×都市⑤

2019年1月24日(火)19時〜21時 ヒカリエ8F COURT

登壇者

  • 上田假奈代

    上田假奈代

    詩人・詩業家/NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表理事 ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム主宰

  • 左京泰明

    ファシリテーター

    左京泰明

    シブヤ大学学長

  • 紫牟田伸子

    ファシリテーター

    紫牟田伸子

    編集者/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー

ともにつくる仕組みをどうデザインする?

都市想像会議第十八回「地域福祉×都市⑤」会場1

「地域福祉」をテーマにした2018年度のシリーズの最後は、大阪の西成釜ヶ崎にあるあいりん地区で、喫茶店の“ふり”をしながら、釜ヶ崎のおじさんたちと“ともにつくる”場「ココルーム」を運営する上田假奈代さんに来ていただきました。釜ヶ崎はかつて“寄せ場・寄り場”と呼ばれ、多くの日雇い労働者を集める場所でしたが、現在は生活保護の方々やホームレスの人たち、しかもそうした人々の高齢化が進んでいます。ココルームの活動は困窮者の支援ではなく“表現活動”であるところから、多くのヒントがあると思います。

都市想像会議第十八回「地域福祉×都市⑤」会場2

上田さんは、詩や書道や音楽や演劇やお笑い、オペラなどを、誰もが表現できるツールとして活用し、「釜ヶ崎芸術大学」という一連の活動も行なっています。根底には「私たち一人ひとりが表現し合うことでいろいろな広がりがある」という上田さんの姿勢があり、上田さんのお話からは、さまざまな事情を抱えた釜ヶ崎のおじさんたちが、ココルームという“場”を得て、そこで“ともに”学び表現することに向かっていく様子がうかがえました。  困難な境遇を経た人たち、困難を抱えた人たちがココルームにはやってきます。喫茶店だからこそ、誰もがやってきますが、さまざまな相談事の最初の窓口でもあります。でも、そこでただ「ともに」いたり、「ともに」笑ったり喧嘩したりする日常があり、常にそこには「表現」が伴っている。「表現し合うことは循環するのだ」と上田さんは言います。おじさんたちの表現は詩人である上田さんの自身にも、ともに活動するアーティストたちにも、そこに参加するその他の人々にも、「循環する」のだという、上田さんの言葉は印象的でした。