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「日本の図書館法では、公共図書館には“私立”と“公立”があると定義されており、戦前の良い公共図書館には私立図書館が多いことやアメリカの「ニューヨークパブリックライブラリー」は私財を受けて設立され、現在も財団運営であることや、戦後の日本では行政主導だったことなど時代背景を説明していただき、本は手段であり、図書館として提供していかなければいけない本質的なものは知識であること、“公共”と“公立”の違いを意識しなければ間違えてしまうとおっしゃっていました。

現代は、あちこちにある知的資源をネットで共有することができる時代です。個人が集めた資料も広く公開されて社会に生かされることも大切です。“公共”図書館を考えるとき、このような民間の知恵を共有していくことも大切であり、公共図書館として認めることもできるのではないかと柳さんは言います。一方、「みんなが使える普遍的な知識」、あるいはコミュニティを基盤として最低限必要なものを揃えていくなど、公共図書館だからこそできることがあるはずなのだ、と柳さんはおっしゃっています。

都市想像会議第四回「図書館×都市」スライド「本は手段。」

図書館を「本のある施設」から、「知を提供する場所」ととらえ直すと新しい図書館像が見えてきます。最後に図書館という場所の話になりました。場所といっても、物理的な空間として、人が集う場として、さらに電脳空間という意味での空間の3つが考えられます。近年、図書館はサードプレイスとして改めて注目されていますが、この考え方の根本には、本を仲介として、新しい情報・知識が生み出されるということがあります。トークやワークショップなどから本を読み、知識を広げていく学びが生まれる場所です。「物理的な場所をつくっていくことは必要」であり、区民だけではなくその地域を利用する広い市民が利用でき、人々が交流することで知識が深まっていく「知の広場」としての図書館のかたちが徐々に浮かび上がってきました。

「英語の“Library”は本の館という意味ではないんですよね」と柳さんは言います。たしかに、ライブラリーとは、知識を得たり、情報を共有したりする場所、ということです。これまでは書籍を中心にしていたわけですが、現代のライブラリーを考えれば、ネットも個人が持つ情報も、人的な交流も含めた、これからの時代の「知の交流地点」になるはずです。

現状の図書館はさまざまな課題を抱えていますが、「知の交流拠点」と考えると、新たなあり方が見えてきました。静かに本を読む人もいれば、おしゃべりでにぎやかな人々もいるというような、「知の広場」(アントネッラ・アンニョリ著『知の広場』より)になるかもしれません。司書という専門職が、本の専門家として新しい役割を担うようになるかもしれません。図書館は知識と知恵を交換する場として新しい役割を持つでしょう。図書館の議論は、本やアーカイブのあり方にも広がりそうです。改めて議論できる機会をつくりたいと思います。

より詳細な内容は議事録をご覧ください

都市想像会議第四回 登壇者・会場の皆さん

最後にみんなで記念撮影