シブヤ大学
誰もが働ける社会を作る ソーシャルファームを知って、考えて、働きたくなるワークショップ

ソーシャルファーム(Social Firm)という存在をご存知ですか?

誰もが楽しく働くことができるような職場。挫折があっても、失敗があっても、困難があっても、障害があっても、働きたいと思っている人は多い。そうした人々が働くことができる場所が「ソーシャルファーム」です。

でも、ソーシャルファームは特別な場所じゃないんです。どんな会社でもソーシャルファームになることができる。

このワークショップは、ソーシャルファームとはどういうものか、どんな会社が取り組んでいるのか、どんな人がどんなふうに働いているのか、どうやってソーシャルファームになれるのか、さまざまな人々が楽しく働くことができるソーシャルファームの思想と実践を知り、未来の社会を考え、作る場所です。

2025年 第3回テーマソーシャルファームのリアル(働く人の目線から)

2025年10月29日(水) 19:00〜21:00

ソーシャルファームワークショップ2025第3回は、第2回に引き続きAnimo Plus株式会社より、代表取締役の橋本典子さんにお越しいただきましたが、ソーシャルファームを立ち上げるまでの橋本さんの“思い立ったら猪突猛進”な半生に、近藤先生はじめ、参加者のみなさんもまずは圧倒されました。

橋本さんは若くして結婚、20代は3人の子育てに追われながら食べるためにバイトをしたりして苦労する中で、このまま社会とのつながりを持てるのかという不安に駆られていたのだといいます。31歳の時にまとまった収入を得るために竹の照明作家となってある程度の収入を得られるようになった後、自分と同じような不安を抱えるワーキングマザーの支援をしようと、Animo株式会社を設立しました。橋本さんの経験には、多かれ少なかれ、女性が社会と関わる際に直面する課題です。子育ても大事だけれど社会とも関わりたいという葛藤、子育てをした後の仕事への復帰の困難さ……病気や障害のある子どもを育てながら収入を得ること、シングル子育てならなおさら難しい状況にも陥ります。いわば、橋本さん自身、貧困、ワーキングプアも経験し、子どもの病気や末っ子も軽度障害があり、本当に就労困難な当事者だったわけです。

橋本さんのAnimo株式会社では保育園を運営しつつ、ソーシャルファーム事業として「ママサポ事業」を展開。子育てしながらでも仕事ができる在宅ワーカーの育成、在宅ワーカーの仕事として企業から経理事務などバックオフィス業務の請負、そして児童の発達支援を行う療育施設の運営という3つの事業を行っています。「働くために保育園に預けているのに、子どものために仕事を抜け、仕事を休んででも療育をしなければいけない。そこを何とか解決できないかと思って」と橋本さん。橋本さんは、事業計画とKPIをしっかり確認して持続可能な会社として理念を広げていく経営者としての側面と、働く人たちそれぞれの特性を活かし、組織として柔軟で働きやすい環境づくりの側面との両輪を心がけているそうです。「働くみんなが笑顔でいるためには、寄り添いすぎることが正しいわけでも、きっぱりと分けてしまうことが正しいわけでもなく、何をどうすればみんなの気持ちよい笑顔を見られるかというところにフォーカスして考える。社会人としてのマインドセットの育成を諦めずにやっていく。事業成長と組織の笑顔–––––これがみんなの最大の癒やしになるということは本当に間違いないと思っていますから、この両輪を回していくことを意識しています」。

橋本さんがすごいのは、「やっちゃうこと。基本的に自分でつくることですね」と近藤先生。「でも“なければつくる”という発想は基本的に最重要だと思います。なかったらつくる。一番最初になればいい。ちょっとずつ変わったなという実感がそれぞれ持てば、世の中は少しずつ変わっていきますよね」。

会場からは、「ワーキングマザーもソーシャルファームの対象なんだ」とか、「キャリアを中断してしまうという問題や子育ての外注化も進んでいるのだと思った」「ソーシャルファームをバックアップ支援する制度も必要ではないか」等々の感想とともに、「経理業務を担うBPO形態を選択したのは事業採算のためなのか、働く人々の特性を生かしていくためなのか?」「社会保障や年金など、企業の運営面で課題を感じておられることは何か?」「合理的配慮の一方で、不利益を被る人が出てくるのではないか?」といったような質問も出ました。

その質問の答えは、ぜひ議事録をお読みください。橋本さんのストーリー、ものすごくパワフルですから!