授業レポート
2018/2/20 UP
旅を深める。
~はじめての個人手配旅行~
シブヤ大学の今日の授業は「旅を深める。〜はじめての個人旅行手配〜」です。
この授業を作ったコーディネーターの田中健太さん。「旅行は好きだけど、考えてみると旅行の仕方をちゃんと習ったことはなく、これまで何となく旅行をしてきた。旅行についてちゃんと知りたくてこの授業を作った」、とのことです。
そして、今日の先生は旅行会社パーパスジャパンの酒井修一さんです。ひとりひとりにあったオーダーメードの個人旅行を提供しています。
旅行業界の事情や構造
はじめに、長らく旅行業界で仕事をされている酒井さんから、パッケージ旅行が安くなる仕組みや、ここ最近の旅行をとりまく動向など、旅行業界にまつわるお話しをしていただきました。近年では私自身、日常で「外国人旅行者が増えたな」と感じますが、やはりいわゆるインバウンド(訪日外国人旅行)は増えています。一見、私たちの海外旅行にはあまり影響はないように見えますが、これによって航空券が取りにくくなっている、という影響があるようで、特に大人数の席を確保する必要があるパッケージ旅行には影響を与えているそうです。
パッケージツアー vs 個人旅行
海外旅行に行くとき、パッケージツアーと個人旅行のどちらがいいのでしょうか。「旅の行き先や目的によって、両者をうまく使い分けるのがいい」と酒井さんは言います。パッケージツアーは、価格が安いことに加えて、自分で準備することが少ないことや、有名な観光地を効率的に巡れるというメリットがあります。一方で、自分のペースで過ごすことができなかったり、周囲に気を使ったり、興味のないお土産店に連れて行かれる、というデメリットもあります。個人旅行は、自分のペースで自由に過ごせる反面、素人が情報を集められる範囲には限界があることや、旅先でのトラブル対処も自分で行う必要がある、というデメリットもあります。特に、オーバーブッキング(航空会社やホテルが定員よりも多く予約を受け付けること)はよくあることのようで、旅行会社はこれに対処してくれますが、個人手配した場合は自分で代わりのチケットを探すなどの対処が必要だそうです。
酒井さん曰く、一都市滞在型は個人で手配してもいいが、複数都市周遊型や目的型は旅行会社を通した方がいいそうです。特に「ワイナリーを巡りたい」とか、「歴史の足跡を追いたい」という目的型の旅行の場合、個人で収集できる情報には限界があるため、プロの手を借りた方がよいと言います。
海外旅行での注意点あれこれ
はじめての個人旅行での注意点をあれこれと教えていただきました。まずは海外旅行で気になる言葉についてです。英語が話せないと海外に個人旅行なんて行けないのでは、と考える人も多いですが、過剰に心配することはないそうです。ホテルのフロントではチェックインをするに決まっているし、レストランに行けば、食事をするに決まっています。旅行中の多くの場合は、すでに何をしたいのかがある程度わかった状態で会話するので、なんとか通じるそうです。
次に、旅行保険に入るべきか。これは入った方がいいそうです。クレジットカードに保険が付帯されている場合が多いですが、これだけだと金額的には心もとないそうです。場所にもよりますが、意外に注意しなければならないのはアメリカだそう。アメリカの医療費は日本人が想像するより遥かに高く、旅行中に病気になって救急車を呼んだら、後から数百万円請求された例もあるそうです。
治安の良さも気になるところですよね。「日本より治安のいいところはない。どこに行っても最低限は気をつけるべき」と酒井さんは言います。日本にくる外国人観光客の中には、リュックを前に抱えている人をよく見ますよね。後ろ掛けはスリに遭うから危険、というのは外国人旅行者にとっては当たり前のことのようです。
授業で学んだこと
酒井さんのように、個人旅行をコーティネーとしてくれる人がいることは新たな発見でした。パッケージツアーと、酒井さんのような旅行会社を通した個人旅行、個人で手配する旅行を、旅先と目的によって上手く使い分けていくと、より楽しい旅ができそうだと感じました。
(レポート:小林大祐、写真:山口由季子、小林大祐)