授業レポート
2017/12/16 UP
「森」をつくる。2017
~明治神宮の森でどんぐり拾い 12~
シブヤ大学開校当初から続くこの授業も今年で12回目を迎えました。
昨年に続き、今年も雨の予報で天気がとっても心配でしたが、当日の朝はくもり空。
お一人でご参加の方はもちろん、ご家族や親子でのご参加の方も多く見られ、様々な年齢層の生徒さんがいらっしゃいます。
今にも雨が降りそうな空の下、今回の先生であるNPO法人響のみなさんと合流しました。
まずは、明治神宮を散策!
明治神宮に関する豆知識を教えていただきながら明治神宮を歩きます。
パワースポットと言われている川のお話や、本殿の前にある大きな鳥居の近くに実は避雷針が設置されているなど…
明治神宮を歩くだけでは知ることのできない貴重なお話がたくさん聞けました!
本殿へ向かう途中で明治神宮の落ち葉を集める清掃する方のお話も聞けました。
清掃に使うほうきはなんと手作りなんだそうです!
天候や落ち葉の量などで、大きいほうきと小さいほうきを使い分けているそうです。また、ほうきも使いやすいように各自でカスタマイズしているそうです。特別にほうきを使って落ち葉集めも体験させていただきました。
続いて本殿の方へ向かい、お参りをしました。
明治神宮の本殿は2020年の鎮座100年に向けて改装中です。鳥居が新しく、まだ木の匂いがしたり、屋根の銅版が新しくキラキラしていてとても綺麗でした。
また、11月23日に行われる五穀豊穣のお祭りに向けて水色と白の横断幕が飾ってありました。
散策の後は、普段は立入禁止になっている区域でどんぐり集めを行いました。
ここは、11月3日に行われる例祭で流鏑馬を行う場所なんです。そのため、馬が走った道が綺麗にまっすぐ残っていました!
またNPO法人響ではこの場所で完全無農薬の田んぼをつくる活動も行なっています。
渋谷のまちの中でお米がつくられているって何か不思議な感じがしませんか?
ここで採集するどんぐりの種類はシラカシ、マテバシイ、スダジイの3種類。
最初はどんぐりがなかなか見つけられないのですが、しばらくするとたくさんどんぐりを見つけることができました!
生徒の皆さん全員が和気あいあいとしながらも真剣にどんぐりを拾っていました…笑
30分ほどどんぐりを拾った後はお昼ご飯。みんなで元気に「いただきます」のあいさつをしました!
こうやってあいさつをすること自体懐かしいですが、改めていのちをいただいて私たちが生きているということに気づけた瞬間でした。
昼食を取っているときにポツポツと小雨が降りましたが、意外にも大木の木陰にいると全く雨に当たらないんです。
そのまま雨が降り続けるかと思いきや、幸いにもお昼ご飯を食べ終える頃には雨が上がりました。
「ごちそうさまでした」のあいさつをみんなで終えた後は、また別の立入禁止区域へ移動しました。
移動する途中には明治神宮の神職の方が利用する禊場がありました。とっても静かで厳かな雰囲気の場所です。
そして、ここで芽が生えたどんぐりを発見しました!
普段立ち入る場所に比べ清掃が行き届かず落ち葉やどんぐりがそのままになっていることが多いからだそうです。なんとどんぐりはなんと1週間で芽が出るそうです!
NPO法人響の本部がある場所へ到着しました。ここでは、どんぐりの苗木を育てています。
この場所でもどんぐりの採集の続きを行いました。
その後は拾ったどんぐりを選別します。水の入ったバケツに種類別に拾ったどんぐりを入れます。
良いどんぐりの条件は水分がなく乾いていること、虫がいないことの2つだそうです。
水に浮いたどんぐりは、虫が中身を食べて空になったものだそうです…。
そして、どんぐりの里親になってくれる生徒さんたちがどんぐりの苗木を数種類から選びます。
今年の授業では、昨年以前にこの授業に参加されて大きく育った苗木を持って来られた方もいらっしゃいました!
どんぐりの里親によって育てられた苗木は全国に届けられます。
たくさんの人の手によって自然が広がり繋がっていくことがとても素敵なことだなと心から思いました。
最後に、この授業開始以来毎年参加してくださっている杉山親子からお土産をいただきました!
刺繍と本物のどんぐりの帽子を使ってつくられたとってもかわいい2種類のブローチです!杉山親子のどんぐりに対する想いが伝わってきます。
自然になかなか触れる機会がない普段の生活から離れて、自然と触れ合えた1日でとてもリフレッシュすることができました。そして、今まで明治神宮の自然や明治神宮についてしっかり見たことがなかったのですが、
今回の授業を通して私にとって明治神宮が特別な場所になりました。
来年もまた、立派に育ったどんぐりの苗木を持って来られる生徒の皆さんに会えますように。
そして、来年もその先もずっとどんぐりを通して自然と人が広く長く繋がっていけたらいいなと思います。
(写真:佐藤聖子、橋本美波、レポート:森岡遥)