シブヤ大学

授業レポート

2017/8/29 UP

ノートをDIY!!
~自分でつくるノートカバー


わたしはプレゼントに「ノート」を贈られると、たいへん嬉しくなるタイプです。


学生のころから、社会人になった今でも、ずっと真っ黒な表紙のシンプルなノートを使っているので、
ふとしたときに表紙のデザインがきれいなノートを贈られると、
何のために使おうかなと考え悩む期間や、
いざページを捲った1ページ目の1行目にペン先を置くあの瞬間、
なんとも言えない緊張感でソワソワしてしまいます。


そんな特別な思いを持って使い始めるノートって、
日記、アルバム、旅行記、レシピノート、らくがき帳…
用途はさまざまでもなんだか少し特別な一冊になったりするのではないでしょうか。


今回の授業は、DIYで世界に一冊のオーダーメイド・ノートを作りましょう!という内容。



参加者全員、A5・方眼罫・80枚の、ちょっと厚みのあるベタな「大学ノート」を土台に、
各々のアイディアで、布、革、リボン、ボタンや、ポンポン、造花、毛糸などなどの素材を
自由に組み合わせてデコレーション、カスタマイズをしていくというものです。


先生は、雑貨デザイナーの宇田川一美さん。



飾り付けの見本帳の執筆や、文房具類のデザイナーとして活躍される宇田川さんは
学生のころから「自分の本当に欲しいものは売っていない」という思いから、
ノートのカスタムをはじめられたそう。

授業前に見せていただいたカスタム済みのバインダーやノートを、
みなさん手に取っては「きれい」「便利そう!」と制作への気分を大幅にアップされた様子。


自己紹介タイムで出された「今日はどんな目的のノートを作りますか」というお題には、

「仕事で少しでも楽しさが上がるような一冊に」

「一日の幸せだったことを毎晩書くためのノート」

「みんなが選んだ素材の"余り"から、一冊のノートを作ってみたい」

と素敵な思いが飛び交っていました。


製作はまず素材選びから。



「悩むことに時間を取られてしまうのももったいないので、
まずは3分間の間に、素材を直観的に選びましょう」

という難題が出されるも、構想力が優れた方ばかりだったのか、
それぞれ下地や飾りをぱぱっと手に取るスピードの速さが印象的でした。


素材のはり付けは、なんと両面テープやボンドが中心。

もっと刺繍を施したり、グルーガンが必要だったり、
という高いハードルを想像しがちなわたしには驚きでした。

ちなみにボンドは水分が含まれているので、
作業中にずれたり指についたりと少しおっくうな面もありますが、
乾くとしっかり接着するのが良いところだそうです。


また、ごく普通の封筒の両端を折って角を落とすことで、
簡単にマチつきのポケットが作れるテクニックも。

これを表紙裏に貼っておくだけで、ちょっとした紙類のホルダーに!
これは便利そうです。



制作ってどうしても手元の作業に黙々と集中してしまいそうですが、
この授業では参加者みなさんがお互いに作品を観察しあい、

「下地を三角形に切って組み合わせるのすごくかっこいい!」

「布を文字のかたちに切るアイディアは思いつかなかったなあ」

とわいわいと和やかに進行する雰囲気がとてもステキでした。


開始から2時間ほどで、みなさん思い思いのノートが完成。
テーブルにならべてみると、7冊それぞれが個性的なノートに!

同じパーツを使った部分はいくつもあるのに、似通った雰囲気が出ることはまったくなく、
「身近な素材と道具でここまで作れるなんて」とみなさん満足げな様子。


まさしくそれぞれの思いを持って出来上がった、「世界に一冊」のノート、

その1ページ目にはなにから始まり、
どのくらいの時間をかけて、
最後のページにはなにが書かれていくのでしょうか。



ノートが使い終わったら、是非そのストーリー、そっと教えてくださいね。


(授業レポート・イラスト:横溝遥 / 写真:鈴木 武)