シブヤ大学

授業レポート

2017/6/17 UP

生花でつくる~ハワイの首飾り(レイ・メイキング)

今日は西武渋谷店のサンイデー渋谷 教室スペースにて、
レイメーカーの松橋ユキ子さんをお招きして、
”生花でつくる〜ハワイの首飾り(レイメイキング)”の授業を行いました。

先生はハワイに留学された時にフラ・ハワイ文化に出会い、レイに魅せられたそうです。
ハワイ文化について詳しく、また親しみやすい雰囲気をお持ちで
ついついあれこれ聞いてしまいたくなるような方でした。

授業開始予定の10分前には、すでに生徒の皆さんに来ていただいたので、
さっそく授業を始めることになりました。

はじめに今日集まった皆さんで自己紹介をして、好きな花、もしくは食べ物の話をしてもらいました。
小さな花が好きな人もいれば、大きな花、香りのする花が好きな人もいて、
今日集まった方は、普段から花をよく見ているんだなぁと思いました。

それから先生から、さまざまなレイが載った本を見せていただいてハワイのレイを紹介していただきました。



数種類の花を使うレイから糸を使わず茎を編んでいくようなレイ、
小さな花を使ったレイを2重に巻いていたり、つなげ方で何十通りものレイがあるのが分かりました。

またレイをいただいた時は、贈った人がいる前では外さないといったマナーや、
レイの成り立ちなども話していただきました。


そしていよいよワークショップ開始。
今回の授業では、白から赤紫へのグラデーションが綺麗なデンファレという品種のランを使用して
レイ作りに挑戦しました。

あらかじめ中心の茎から外した花を先生が用意していたので、
その花の裏側に残った小さな茎を外す作業から始めました。



いつものワークショップ授業とは違って、机の上にみずみずしい赤紫の花々が山積みになった作業風景は
神聖なものを作っているような特別な営みに見えて、とても神秘的でした。

その次は花から花粉の部分を取り除く作業です。
ハワイではこの工程は無いそうですが、日本は湿気が多いため、
花粉の部分にカビが生えてくるので、その作業は必要だそうです。

他にもハワイと日本のレイ作りの違いとして、花の入手の仕方を話していただきました。
ハワイではレイを作るために花を買うことは無く、裏山にお祈りをしてから入って、花を集めるそうです。
一方日本では、花はお金を払って入手するので、首にかけるだけでなく、
その後飾ってドライフラワーにして長く楽しんでもらった方がいいそうです。

また、レイはどんな花でも作れるそうですが、特に日本では色とりどりの菊があり、
また耐久性もあることからオススメなんだそうです。

その後は、大きな花弁と小さな花弁を分ける工程です。
なかなか地味な作業が続きますが、
生徒の皆さんは、普段からレイを作られているのかなと思うような手慣れた手つきで作業をされていました。

また先生はハワイの方に、気持ちが沈んだ時は送る人がいなくてもレイを作るといいと教わったそうです。

無心になってレイを作る事で花が沈んだ気持ちを吸収し、浄化してくれるからだそうですが、
今回の教室スペースには、花々からの幸せな雰囲気が漂っていたので、妙に納得してしまいました。

そしていよいよ、糸がついた針に花をさしていく工程。



普段、よくイメージされるレイは花にそのまま糸を通すシングル、ダブルというものですが、
今回は、花の両側の花弁を後ろに折った状態で針に通す、スイートハートというレイを作ります。

両側の花弁が後ろに折られるとちょうどハートの形になるなんて、すごく素敵!

レイ用の針は30センチぐらいの長さがあり、一つ一つ花に糸を通すのではなく、
ある程度、帯になるまで針に刺した状態で形を整えていきます。

そして花の帯が10センチぐらいになったら、針を動かし、糸を通していきます。



机いっぱいに盛られた花々が、一列に並んで帯になっていく様子は見ていて気持ちのいいものでした。



70〜100センチぐらいの長さになったところで、花の帯を結んでレイの完成です。


この時、花と花の間の糸が見えてしまわないようにしっかり花を詰めるのがコツ。
ハワイでは糸が見えているレイはアンラッキーと思われるからだそうです。

花弁を折られた花が並んだレイは、整った綺麗さがあり、この一手間に
作った人の思いが込められているようで、送られた方は、大変喜んでもらえるだろうなーと思いました。

授業開始から2時間、黙々と作業を続けていた皆さんがレイを首にかけた瞬間、
表情がパァと明るくなったのがとても印象的でした。

花を身にまとうというのは、こんなにも人を幸せにするものなのかと思いました。




最後はレイを首にかけて記念撮影。

皆さん、とても素敵な笑顔でした。


(レポート:鈴木 武)