シブヤ大学

授業レポート

2006/9/21 UP

『日本文化が地球を「包む」日。』に参加して

 色とりどりの布。えっ!?あれが風呂敷?「かわいい!!」と若者の歓声が飛び交いそうな風呂敷が会場にレイアウトされている。会場が満員になりつつある中、授業は始まった。
 物を包むのを主な用途として使われてきた風呂敷、その歴史は1000年。その風呂敷が廃れてきたのは、デパートが紙袋を無料で配られるようになったここ40年間のことで、日本文化があまりにも急激に衰退していったことには驚いた。その衰退したはずの風呂敷が、今まさに環境を保護する役割としても新たな価値を持っていると、熱く語ってくれたのは環境省の土井さん。「クールビズ」に続く環境保護のムーブメントを起こそうということで、風呂敷に可能性を見出している。まずは自分の生活の中で、レジ袋を断り風呂敷を使って収納するというエコ生活を紹介してくれた。それを受けて次は、その風呂敷の便利でファッショナブルな使い方を、京都和文化研究所「むす美」の山田さんが実演してくれた。会場の学生さんに1枚ずつ風呂敷が手渡され、一人ひとり実践しながらの参加型の授業となった。たった1枚の布が、大きさも自由、持ち手の長さも自由、マチも自由自在の鞄に早変わり!しかも、寒いときには首の後ろで結んで胸元をおしゃれに飾りながら、寒さもしのげるのだ。物だけでなく、人も温かく包んでしまう、風呂敷という1枚の布がもつ無限に広がる可能性に感動してしまった。風呂敷という1000年の歴史が潜む1枚の布に、自分のアイデア次第でいくらでも新しい使い方、価値を息づかせることもできそうだ。
 地球のことを考えていく先で、日本の伝統文化から教わることが少なくないということに気づく。日本人のよさをもう一度かみ締めた時間だった。
 2部ではSaigenjiさんの音楽。なんていうジャンルの音楽なんだろう。とにかくギターとその声が奏でる音が心地いい。沖縄音楽のような、でも、ボイスパーカッションも融合されていて、いつの間にか、風呂敷モードからSaigenjiワールドへ引き込まれていた。@Futureのオープンカフェにふく風に吹かれながら、そしてSaigenjiさんの音に吹かれながら・・・。そこはシブヤの街中とは思えない安らぎがあった。

(ボランティアスタッフ  加藤 緋登美)