授業レポート
2016/10/4 UP
生み出せ!未来のエネルギー
親子で作って、考える
再生可能エネルギー
生み出せ!未来のエネルギー 親子で作って、考える再生可能エネルギー
今回の授業のテーマは「再生可能エネルギー」。
そして、授業は親子で参加の形式。
元気いっぱいの子供達が集まってくださいました。
受付でいただいた工作キット。
まずは、それと持って来ていただいたペットボトルで楽しい工作の時間です。
ワイワイがやがや、四苦八苦しながらも、一生懸命取り組む参加者のみなさん。
さて、うまく組み立てることができたでしょうか。
息を吹きかけると、ペットボトルでできた羽が回り、ライトが光ります。
これは小さな風力発電機。
今回の授業のキーワードである再生可能エネルギーの一つです。
では、再生可能エネルギーとは一体何なのでしょうか?
ここからは、ぬまっち先生こと沼田晶弘先生の出番です。
みなさんの生活に、今やなくてはならない存在である電気。
先ほどの工作では、風車を回すことで電気を生み出していました。
電気を生み出す方法はいくつかあるのですが、日本ではそのほとんどを火力発電と呼ばれる方法で生み出しています。
火力発電とは、水を火で沸騰させ、そこから発生する水蒸気でタービンを回します。
その回転が電気を生み出すという仕組みになっています。
知っていましたか?
その火力発電で使用する火を燃やすために、石油を使っているのですが、実はその石油はあと40年ほどで使い果たしてしまうといわれています。
この問題は、40年後世界からいなくなってしまう大人達ではなく、今日参加してくださったみなさん、子供達にとって重大な問題なのです。
そんないつか使えなくなってしまう火力発電の代わりに、今、再生可能エネルギーというものが注目を集めています。
再生可能エネルギーとは、自然の力を利用し、ずっと使いつづけていけるエネルギーのことを言います。
現在は、日本ではたった4パーセント程度しか利用されていない再生可能エネルギー。
一体、どういったものがあるか少し見ていきましょう。
1. 太陽光エネルギー
・ 太陽光パネルを並べることにより、太陽光のエネルギーを電気に変える
メリット:莫大に使えるエネルギー
デメリット:天気で発電量が変わってしまう
2. 風力発電
・ 風の力で風車を回し発電を行う
メリット:風がよく吹く場所ならいつでも発電可能
デメリット:発電量が刻一刻と変化してしまう
3. 地熱発電
・ マグマなどの地中の熱で生まれた水蒸気の力で発電機を回し、電気を生み出す。
メリット:24時間ずっと発電が可能
デメリット:発電施設を建設する場所を探すのに時間とお金がかかる
4. 水力発電(中小規模)
・ 水の流れる力で発電機を回し、電気を生み出す。
メリット:川等の自然をそのまま活用することができる
デメリット:発電の施設に葉や枝が流れ込む為、こまめな手入れが必要
5. バイオマス・ガス発電
・ 家畜の糞尿、食料廃棄物等の有機ゴミを使った発電方法です。
メリット:糞やゴミを有効に活用することができる
デメリット:糞やゴミを集めるのに多くのエネルギーが必要
その他の発電方法に、波力、潮力、太陽熱の発電方法があります。
みなさんでも、どのようにしたら電気を生み出すことができるのか考えてみましょう。
ヒントは、発電機をとにかく回せば電気が生まれるところにあります。
教室の参加者に少し話を聞いてみると、
“ハムスターの回し車の大きなものを作って、中で子供達が遊ぶ”、“ローラー式の滑り台のローラーの回転で発電機を回す”などなど、すごくユニークなアイデアを沢山いただきました。
最後に、教室のみなさんでゲームをしました。
ゲームの名前は『無人島サバイバル 発電して脱出せよ!』。
無人島に流れ着いたみなさん、手には充電の切れた携帯電話が握られています。
電気を生み出して携帯電話を充電できれば、島の外と連絡をとることができ、島から脱出することができます。
島のあらゆるものを使って電気を生み出してくださいね。
上手く島から脱出できた子達は下のような方法で電気を生み出していましたよ。
・ 滝の下に水車をつける
・ ふき出す温泉に水車をつける
・ 溶岩を湖まで持っていき、生まれた水蒸気で発電機を回す
・ 丸太小屋を燃やして火力発電をおこなう
今回の授業を通して分かったかもしれませんが、実は電気をつくるのはとても難しいし、大変なのです。
だから、電気を生み出すことを考えるのも大切なのですが、同じくらい無駄な電気を使わないことを考えるのも大切なのです。
今回、教室のみなさんにもお話をうかがいましたが、冷暖房を入れた部屋のドアを開けっ放しにしない、必要のない家電製品の電源を入れない等、身近なところから、私たちの40年後の生活を考えていってくださいね。
(レポート:吉開崇人 写真:吉川真以)