シブヤ大学

授業レポート

2007/6/13 UP

『キャッチボールは思いやりで。』       

「会話にちょっと自信がない」もしくは「「会話」で周囲にちょっと差をつけたい」と思っている、とにかく会話に興味があるシブ大生へ。

ある人は言いました。「会話を制する者はだいたいを制す」と。
「話す」ことは生活の中で基本的で大事なコミュニケーション手段。
今回は、普段無意識に行っている「会話」の中にちょっとした技を効かせて、人に「また会いたい」と思わせちゃおうという、そんな素敵な授業です。

●自分を相手に伝えよう
人はわからないことに恐怖を感じるもの。どういう人間か自分から話をしましょう。
授業ではまず20個の問いがある「セルフリサーチシート」に答え、その中からひとつの質問項目をそれぞれ選びみんなの前で自己紹介をしました。質問項目は「もし、明日で地球が終わるとしたら何がしたい?」や「独りになりたいなぁ。さて、何処に行きたい?」など。ひとつの項目を深く掘り下げていくと、あら不思議。自分でも意識していなかった自分が見えてきます。
普段の生活の中でも、自分のことを話そうとするとき特別なことを話す必要はありません。あなたが話す自分のことはそれだけで個性的。さりげなく自己開示をして相手に安心感を与えましょう。


●相手の話を聞こう
話を聞くときにやってはいけないことがあります。

・相手とのテンポやトーンが違う返事を返す。
・話を聞いているときの相づちがずっと同じ。
・相手が話し終わらないうちに自分の言葉をはさむ。
「ちゃんと聞いているの?」と突っ込みたくなってしまいますね。
会話はキャッチボール。緩やかな球を投げてきた相手に剛速球を返したり、ボールを投げっぱなしではダメ。聞くときは聞く、話すときは話すというメリハリをつけましょう。その割合は8:2(話す方が「8」、聞く方が「2」)で繰り返されるのが好ましいとのこと。

以上をふまえて、生徒さん3人1組で他己紹介に挑戦です。相手のことを皆に紹介する、伝えるんだという意識を持つことで聞く姿勢は全く変わってくるもの。その意識が大切だと立川先生。

●話し方を磨こう
授業に参加された方が一番聞きたかったのはこの話し方の部分ではないでしょうか。

「耳障りになる自分の癖を意識する」
「語尾を下げて話すと信頼性が増す」
「自分の本当の声(地声)を使って話すことで感情を表現できる」
「経験談でリアルな話をする」
「視覚に訴えかける話し方をする」

などなど、話し方を磨くポイントを先生はたくさん教えて下さいました。しかし、私たちが全て実行するのは難しい…。

先生は授業の最初にこうおっしゃいました。
「また会いたくなる人は「好感」・「安心」・「信頼」できる人。心と心のコミュニケーションができる人」であると。

また会いたいと思うのは「心」と「心」で会話ができたとき。
普段、私たちは便利な言葉という存在に頼りすぎているかもしれません。「キライ」という言葉でも「スキ」は伝えられる。どんなに厳しく叱られても、その裏にある優しさを感じとることができたら決して嫌な感情を抱くことはありません。大事なのはそこに込められている気持ち。気持ちは言葉を越えて伝わるんです。

会話は相手がいてこそ。自分だけでは成立しません。
相手のことを思えば、どうやったら相手に伝わるかを考えるはず。わかりやすい言葉を見つけて、より具体的にその人が想像しやすいように話す工夫をするに違いありません。

巧く話すというスキルは大事ですが、その前に相手に伝えようとすることが大切。相手の立場になって自分の話したいことを整理して話す。まずは伝えようと意識することで、技は自然とついてくるものです。また会いたいと思わせるために大切なのは相手を思いやる心だと、気付かせてくれた授業でした。

立川先生、ありがとうございました!!

(ボランティアスタッフ 中里希)


【参加者インタビュー】
1. 声が高くて素敵と教室を沸かせていたきくっちゃん
「シブ大は先月風呂敷の授業を興味があったので受けました。この授業は、会話ってテクニックからどうこうするものかと思ってきたけれど、何人もの生徒さんの話に触れる中で話すモノは自分の中にあるんだと感じました。」

2. きくっちゃんと教室を笑いの渦に巻き込んでいたとっしー
「30人の他己紹介で30通りの人の良さを感じました。次に自分でも使えるものもあり参考になりました。仕事でも日常でもコミュニケーションの中で笑いをうめるようであるといいと思う。そういうネタを持っていない気がしていたけれど、ちゃんと自分にもあるんだなと思いました。」