シブヤ大学

授業レポート

2007/5/31 UP

「自分で考えて描く」

曇り空の昼下がり、午後の授業準備のため、スタッフ一同バタバタしているところに「こんにちは~。」と声があがりました。おや?と思ってよくよく見てみると・・・今日の先生じゃないですか!ロックンロール食堂(飲食店ではありません)から稗田(ひえだ)倫広先生と、文平銀座から寄藤文平先生でした。
二人は今放映中の女優・宮崎あおいさん出演の「東京メトロ」のCMを手がけられています。一流クリエーターってなんでこんなに「空気感」があるんでしょうか。一瞬で、和みのオーラを感じてしまいました。

準備も整い、授業開始です。まず稗田先生の作品を見せていただきました。
リップスライムのPVの中に、VAIOのCMを織り交ぜたというコラボレーションPV。(ちなみにスタイリストは、2月にシブ大先生として授業を行った北澤momo寿志先生です。)映像の中では、突然、武者やスクールメイツが登場するため、教室からは時々笑いが。すみませんが、私ももちろん耐え切れませんでした!

また、我らシブヤ大学のイラストを担当してくださっている寄藤先生は、言わずと知れた「大人たばこ養成講座」の産みの親。あのイラストに吹き出したり、にやにやしてしまった方もいるのではないでしょうか。
先生が手がけられた「大人たばこ養成講座」は、当然のごとく喫煙のマナーを伝えるために作られた広告です。でも、ただマナーを守ろう!という「コトバ」だけだと、堅苦しくなってしまいがちなので「絵」をつけることで堅苦しさを和らげるんだ。とおっしゃいました。私は、この広告がまとめて本になっているものを友達に読ませてもらったことがあるのですが、確かにマンガみたいで読みやすく面白いです!

そして授業のメイン、コトバと絵について話が深まってくると、稗田先生から
話の整理=絵
だというコメントがあり、それについては寄藤先生自身がやっていた絵を書く方法もお話してくださいました。
まず、題に対して2,000文字の文章を書き、それを1,000文字、500文字と完結にまとめていき、最終的には20文字に集約する。そして、書ききれず削った文章を絵にこめるそうです。実際にお仕事をにする場合には、「コトバ」も「絵」も大事にしてこそプロなんだな、と思いました。

そしてそして、お待ちかねの「自分を表現するキャラクター」の宿題タイムです。あらかじめ集めておいた生徒さん作のキャラクターを、先生方が1つ1つ見てコメントしてくださいました。これは、もう、かなり授業のおいしいところでした!うらやましい限りです!
コメントといっても「良い/悪い」ではありません。まるで人探しのゲームみたいでした。名前に「箱」が付く方は、箱をモチーフにキャラクターを描いていたり、人から「菩薩(ぼさつ)顔だ」と言われたことがある女の子は、髪型を菩薩ヘアに描いていたり。先生がキャラクターから本人を探してみたり。自分のどの部分をキャラクターとして描くか、外見、内面、など生徒さん1人1人によって個性が全然違います。

30名ほどの作品を1枚1枚見ている途中で、
「みんな違っておもしろいね」
と寄藤先生もおっしゃられました。(本当にその通り!)
「その人が自分のことを考えて描いたからいいんです。上手い、下手じゃない。」とも。

全員の作品を見終わったあと、質問タイムではこんな質問があがっていました。
■絵をシンプルにイラスト化するコツを教えてください。
寄藤先生は、一番そのものらいしい点、その人「らしさ」や特徴をピンポイントで描くことだと教えてくださいました。例えば髪型やほくろなど身体的特徴であったり、性格を絵に表してみたりするとシンプルにイラストにできるそうです。

あっという間に90分が過ぎてしまって、あたりは夕暮れ時になってしまいました。今回も先生からはもちろん、インタビューをさせていただいた方や、顔なじみになった生徒さんと言葉を交わすだけで、前向きでポジティブなパワーをいただきました。
みなさん、ココは「コミュニケーション・クリエイティブ学科」ですよ!しかも同じ授業に興味を持った生徒さん同士です。参加した時には、ちょこっと勇気をもって隣の席の人に話しかけてみるだけでも、2倍3倍楽しめるのではないでしょうか。

(ボランティアスタッフ 山田有希)

【参加者インタビュー】
①お名前:川崎さん
感想:
絵で何ができるのか興味があって来ました。絵には苦手意識があったのですが、授業を受けてみて、身構えなくてもいいんだと思えました。

②お名前:三坂さん
感想:
普段言葉を使うので、イラストに興味があって参加しました。「自分のキャラクターを描く」という宿題をして気付いたのは、自分が思っている自分と、他人が思っている自分には違いがあったということです。「そんなに大人しくないだろ」といわれました(笑)。