シブヤ大学

授業レポート

2014/7/22 UP

仕事の成果を感じたい。
~日本各地の仕事に学ぶ、わたしを活かす可能性~

今回の授業の先生は、NPO法人ETIC.の長谷川奈月さん。日本各地で働く若者のインターンシップをコーディネーションしています。授業の流れは、生徒さん同士のディスカッションを途中に数回はさみつつ、長谷川さんのトークをメインとして展開しました。

このレポートでは、長谷川さんのお話のなかでポイントだなと感じたところをまとめてみました。
1. 長谷川さんのお仕事紹介「企業や学生の特徴に合わせたコーディネーションは腕の見せどころ」
2. 参加者の私たちが学ぶべきポイント「自分サイズのネクストステップを見つけることが大切」
3. 参加者の私たちが学ぶべきポイント「自分のスキルを客観視できることが重要」


1. 長谷川さんのお仕事紹介「企業や学生の特徴に合わせたコーディネーションは腕の見せどころ」


ETIC.は21年前に起業家をゲストにむかえて話をきく大学生の勉強会として立ち上がりました。その後、アルバイトでもなく社員でもない関わり方、「インターンシップ」を日本の若い人たちに紹介してきたそうです。

ETIC.は若者を必要としている日本各地の企業とネットワークをつくり、今まで4,000人のインターンをコーディネーションしてきました。

長谷川さんの担当するコーディネーターという役割では、「企業や学生の特徴に合わせたコーディネーション」がまさに腕の見せどころとのこと。「とにかく人手として若い人がほしい」という企業の場合はマッチングの軌道修正が必要ですし、一方、「学生さんが育てば、それでいいよ」というやさしいお父さん的傾向が強すぎる企業の場合も学生の成長にしっかりつながるように調整を加えていくそうです。

長谷川さんの言葉は、現場での実体験にもとづいていて、とても説得力があるものでした。


2. 参加者の私たちが学ぶべきポイント「自分サイズのネクストステップを見つけることが大切」


時代の流れに乗って、自分サイズのネクストステップを見つけることが大切というお話が出ました。

「波に抗うということは大変。しかし、時代が変わってきている」と長谷川さんは言います。「10年前にはできなかったことが、今はできるようになってきた。いろいろな情報を使いながら自分サイズのネクストステップを見つけることが大切。急に転職したり、急に何かを立ち上げたりすることが尊いのではない。自分で能動的にやっていきたいという思いこそが尊い。起業家精神というのはそういうもの」とのことでした。


3. 参加者の私たちが学ぶべきポイント 「自分のスキルを客観視できることが重要」


「まちづくりがしたい、地域で働きたいという思いだけではなく、具体的なスキルが必要だと思う」と長谷川さんは言います。そして、「自分のスキルは、今の会社にいるから使えるのか、今の会社を出ても使えるのか、どこにいても自分はこういうことができるなと客観視できることが重要」とのこと。

ETIC.が主催する「地域イノベーター留学」(短期間、地域に入る実践プログラム)は、自分のスキルを客観視する一つの機会になるのかもしれません。あたらしく飛び込んだコミュニティのなかで自分の役割を見つけることで初めて、自分のスキルを客観的に見られるようになるのかもしれません。

例えば、大企業でプロジェクトマネジメントをしていましたという人がいると、ちゃんとプロジェクトが進みます。いつまでに提案資料を作って、そのあとブラッシュアップしてなど、ちゃんと管理されていきます。ETIC.の短期実践プログラムに参加することで、自分は今の会社を出てもこういうことはできるんだなということがわかります。自分が何をもっていて、何が足りないのかを知ることができるのです。


長谷川さんのお話は、地域で働くことを検討している方だけでなく、能動的に生きていきたいと考える全ての人にとって、とても役立つと思いました。そして、授業を通して一貫して感じたのは、「貢献するターゲットとしての『地域』だけでなく、自分を活かす手段としての『地域』があるのだ」ということ。今回の授業に出席できなかった方は、ぜひ、ETIC.のウェブページを見て、自分なりの働き方のヒントを見つけてみてください。

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(ボランティアスタッフ 松井健二)