シブヤ大学

授業レポート

2014/3/21 UP

自分で淹れるコーヒー

~おいしい時間の楽しみ方~

レポート① (ボランティアスタッッフ:高木夕子)


今日の教室は東急ハンズ渋谷店7階のちょっと不思議で心地いい空間「ハンズカフェ」。
先生は東急ハンズ渋谷店ハンズカフェ担当のキュートな林田生野さんをお迎えして行われました。
突然春風が吹いてグッと暖かくなった土曜日、コーヒーを楽しく学びたいという気持ちがいっぱいの生徒さんがハンズカフェに集結、コーヒーの香りに包まれながら見て聞いて楽しい、そしておいしい授業でした。

授業前半は主にコーヒー豆の基本知識、ペーパードリップなどコーヒー器具の説明からコーヒー豆の保存方法などコーヒーに関するいろは習い、授業後半はフレンチプレスとハンドドリップの二種類の抽出方法を学び、生野先生にデモストレーションをしていただいた後、参加者全員で二種類のコーヒーの淹れ方を実践しました。

ラストにはコーヒーに良くあう「ブラウニー with バニラアイス」が登場。
自分たちで淹れたコーヒーと一緒に戴きました。


● コーヒーの豆知識

・コーヒーは赤道をはさんで南北25度の赤道付近の温暖なエリアで栽培されている。
 このエリアを通称「コーヒーベルト」と呼ぶ。主に南米、アフリカ、アジアで栽培されている

・コーヒーは育てるのが非常に難しい植物

・果実はさくらんぼに似ているので「コーヒーチェリー」と呼ばれ、色は赤く果肉はフルーツのよう

・コーヒー豆は果実の種子である

・コーヒーの花は白くジャスミンのようで香りがとても良い

・お米と同じで栽培している地域によって味は様々で、アジア産は力強く、アフリカ産は個性的、
 中南米産はほどよい酸味と甘みがある

・コーヒーはそのままでは食べられないが、焙煎することによってコーヒー独自の風味が生まれ、
 加熱が進むほど酸味が消えて苦みが増す

・アイスコーヒーは氷で濃度が薄まるので深い焙煎のほうがよい

・コーヒーはとても酸化しやすいので開封後は小分けにして密封容器で冷凍庫に保存がおススメ。
 豆で2週間、粉(挽いた状態)で1週間が目安


● コーヒーの器具

・ペーパードリップ(ハンドドリップ)

一般的な器具として定着している。今は円錐型が人気、台形型がベーシック。
ペーパーが油分や雑味をのぞいてくれるのでスッキリした味わいになる。
時間と手間がかかるので、休日におススメ。

・フレンチプレス

フランスからコーヒー器具として世界に広まった。
ペーパードリップよりコーヒー豆がもつ香りや味わいをダイレクトに味わえる抽出方法。
決められた量のお湯を入れて待つだけなので忙しい平日の朝でも簡単に淹れられる。

ハンズカフェではボダム社のフレンチプレスに世界各国のコーヒー農園を渡り歩くコーヒーハンターの
川島さんと共同開発した、目が細かくざらつきが少ない、特殊なフィルターをあわせて使っているそうです。
この特殊フィルターはハンズで販売しています。1万円以上するそうですがミクロン単位で微粉を
取り除けるので、その対価は大いに価値あり!!
器具を変えるとコーヒーの味も変わる!


● おいしいコーヒーを淹れるための5つのポイント
・水: 水道水でok
・湯の温度: 90-95度(やかんで沸騰させて1分そのまましておくと95度になる)
・鮮度: 鮮度の良いコーヒー豆を使う
・分量: 180m lの水に対し、大さじ2杯(10g)のコーヒーの粉が目安
・挽き具合:  ペーパードリップは中挽き、フレンチプレスは粗挽き

そして笑顔。笑顔で入れるとぜんぜん違うんですよ、と生野先生は力説。
これは何事にも言えることですよね。


● 美味しいコーヒーの淹れ方

ハンズカフェオススメ分量(2人分)

フレンチプレス:コーヒー豆25g、お湯270ml、挽き具合は粗挽き
ハンドドリップ :コーヒー豆22g、お湯300ml、挽き具合は中挽き

フレンチプレスの手順
・荒く挽いたコーヒーをコーヒープレスに入れ、お湯を円を描きながら注ぐ
・タイマーをかけて3分セットし、蓋をする
・時間がきたら、蓋のつまみを下げて、カップにコーヒーを注ぐ

ハンドドリップの手順
・器具を温める。その間にペーパーフィルターを折りしろにそって折り、ドリッパーにセットする
・コーヒー粉をフィルターに入れる、軽くたたいて水平にする
・お湯をコーヒー粉全体に細くゆっくり注ぐ(サーバーにぽたぽたと落ちる程度)←大事
・30秒蒸らす(待つ)←大事
・1分半たったら、さきほどより早く多めにお湯を注ぐ、アクが落ちないように注意して継ぎ足す←大事
・300mlまで抽出できたら、コーヒーが落ちきる前にドリッパーを外す
・コーヒーの濃度を均一にするため、サーバーを少し回してからカップに注ぐ


同じ器具を使い、同じ豆を使ったコーヒーを生徒さん同士で交換し、味比べをしたりアドバイスをしあっていました。
コーヒーの味はそれぞれ違うものだった。

豆の種類、豆の保存、豆を挽く、器具をお湯で温める、ペーパーフィルターの折り方、豆を入れて
ゆっくり細くお湯を注ぐ・・・。
きっとちょっとしたことなんだろうけれど、そのちょっとしたコツを掴めば味が数段良くなる。
そのコツが身につけば、コーヒータイムはさらに楽しくなり、どんどんおいしくなる。
生徒さん一同が「これは奥が深い、今日からどっぷりコーヒーにはまりそうだ!」という表情をされていたのが
とても印象的でした。


コーヒーも次の動作をするタイミングが大事とは。
早速、道具選びをはじめよう。




レポート②(ボランティアスタッフ:大貫晴美)

おいしいコーヒーで生活を豊かにする。
東急ハンズ渋谷店ハンズカフェにおいてコーヒーを楽しく学ぶ、体験型の授業が実施された。
授業の前半では主にコーヒー豆の基本知識、ペーパードリップなどのコーヒー器具の説明から自宅で簡単にできるコーヒー豆の保存方法など、コーヒーに関する座学が行なわれた。授業の後半ではフレンチプレスやハンドドリップを林田先生にデモストレーションしていただき、参加者全員で実際にコーヒーを作り、試飲した。最初は初対面で緊張気味に見えた聴講者の皆様もコーヒー豆の香りと林田先生の時にユーモラスあふれた柔らかく、丁寧な講義に和み、その空間とコーヒーを楽しんでいた。

特に体験と試飲は強く印象に残った。林田先生は「同じコーヒー豆でも産地や使う器具の違いで味が異なる」とおっしゃった。最初は器具の違いで味が異なることに私も半信半疑であったが同じプレスコーヒーというカテゴリーで見ても器具を変える事で味のクリアさや酸味が全く異なった。

また同じ器具を使い同じ豆を使っていても聴講者の方々同士で味比べをした結果、味が異なったようだ。そのことから聴講者の方から「コーヒーは作る人の人柄によって味が異なる」という意見を頂いた。確かにそうなのかもしれない。豆を挽く、器具をお湯で温める、ペーパーフィルターを折る、豆を入れてお湯を注ぐ・・・。一つ一つの所作に入れる人各々の個性が出て味も変わる。そういった意味では同じ味のコーヒーはできないと感じた。

大量生産された商品としてのコーヒーではなくオンリーワンとしてのコーヒー。手間ひまかけて生み出すそのコーヒーを自分でもしくは大切な人と楽しむ。今回の講義では今しかないその時間をおいしく楽しむ幸せを改めて感じた。