シブヤ大学

授業レポート

2007/5/9 UP

カラフルな絵に囲まれて授業は始まりました。
絵をよく観てみると、一人の人が作ったのではなさそう・・・
一体誰が・・?

そう、絵に囲まれている、この授業の生徒さんたち!

色も、紙の大きさも、素材も、展示方法もバラバラ。
これは一体何・・・?

実は、生徒さんが一人ひとり、宿題で自分の広告を作ってきたものです。そして、授業が始まる前に、教室の好きなところに展示してもらったのでした。

今回の先生は風とバラッドの照井さん。ユーモアたっぷりの話し方で教室の雰囲気がとっても明るく、和やかに授業が始まりました。

生徒さんが作られた一つ一つの作品に対して、照井先生が丁寧にコメントして下さいました。厳しい言葉を言いつつも生徒さんを笑いに包むものでした。
作品は写真・四コマ・リボン・シール・手書き・折り紙・筆・クロスワード・油絵・顔など、作品に近づかないと何が書いてあるのか分からないもの、本当にさまざまです。ジブンの広告・・・奥が深い。表現されているものも、ルックスであったり、感情であったり、決意であったりで、ジブンの広告で何を表現しようかという意図が広告を通じて伝わってきました。一つの同じ課題・同じジブンを広告する課題に対して自分と違う表現をしている、みんな違ういろいろなものの見方が現れていました。
CMなら15秒か、30秒で伝えなければいけない。この授業では「紙一枚」。この紙一枚にジブンを広告する。そう簡単にできることではありません。
「広告というのは、いろんな事を一度に言っても伝わらない。あれもこれもはダメ。何か一つに集約した方が伝わりやすい」と照井先生はおっしゃっていました。

私たちが普段目にしている広告にはさまざまな工夫がなされていて、そのメッセージを読み解くことがとても大切なことだと思いました。仕事で、企業のキャッチコピーなどを生み出す照井先生に、自分のことを自分で伝えるのは本質的に難しいということ、日常のコミュニケーションであなた(ジブン)という人の広告をしていることが分かりました。
本当にジブンを広告するって奥が深い・・・。

お仕事で、企業の広告をクリエイティブしている照井先生はどうやって広告を生み出しているのだろう。生み出す上でのポリシー、これだけは譲れないってことって何だろう?
授業の最後に生徒さんから質問があがりました。
「なるべくウソをつかないこと」
「誰が書いてもこういうようになるような、じゃなくて、自分だから出来るものを出したい。なんとなくでクライアントには出さないようにしている」
と先生は答えられていました。

自分だから出来ること、自分にしかないのだといえるものをみつけて、広告できる日がくるのかな、コミュニケーションをとる上で自分にしかないものを出していくのが、自分にしかできない広告なのかなと思いました。

(ボランティアスタッフ 鈴木美歩)