シブヤ大学

授業レポート

2013/3/8 UP

ダンボールに刺繍(ししゅう)!?普段は捨ててしまうものが、おしゃれな小物に!!

【はじめに】
「ダンボール刺繍(ししゅう)」。
これ、何だと思われますか?
ダンボール紙に穴をプチプチと刺していき、その穴に毛糸や刺繍糸を自由に縫い込んでいく、手芸のひとつです。
ネットで調べてみると、
「ダンボール刺繍」で画をつくっているプロのアーティストさんもいるみたいで、
なかなかアーティスティックな分野。
私にとって、かなりギャップでした。
「ダンボール=いらなくなったもの」というイメージがありましたが、
この授業に参加して、良い意味で裏切られました。

【授業の内容】 
講師は、紙やダンボールが大好きだと言う、雑貨デザイナーの宇田川一美さん。
宇田川さんは、
「スーパーやイタリア料理屋さんにあるダンボールって、デザインやマークが凝っていて、実はすごくおしゃれ」だと言います。
フルーツが入っていたものや、海外からの輸入製品が入っていたものなど…。
絵が可愛かったり、英文字が妙にかっこよく映ります。

ダンボール紙の魅力について教わったあとは、
先生が試作品として作った小物入れ(お家のステッチが施されているもの)をもとに、
基本的な作り方を説明して頂きました。

ですが、「ダンボール刺繍」にはルールがありません。
ダンボールを自分の好きな形に切り、
好きな毛糸の色を縫い込み、
好きなボタンも縫込み…
要は、自分の感性のままに作って良いのです!

なかなかクリエイティブな生徒さんたちが多く、
多種多様なカタチの作品が見られました。

ダンボールに元々施されていた木のデザインをそのまま活用し、
刺繍を施す方もいれば、
ダンボールをバラバラの大きさに細かく切って、それを毛糸で縫い合わせる人も。

皆さん夢中になって、
切ったり、縫ったり、考えたり…していたみたいで、
あっという間に2時間が経ちました。

最後は作った作品を見せ合いっこしました。
iphoneケース、ミニバッグ、手紙入れ、ペン立て、みかん入れやバスの模型など…
先生もびっくりするような、新しいダンボールの使い道に出会えました。

【さいごに】
先生からのメッセージです。
「手作りって出来た“完成品”もすごく大切ですが、何よりも作るときに一緒に共有した“時間”が財産ではないかなと思います。
資源ゴミで捨てられる運命にあるダンボールですが、今日は人生が180°変わったダンボールたちに出会えたと思います。ぜひ、この“時間”や“感覚”を大事にしてください。」

すごく素敵な言葉でした。
ダンボールという「捨てられる」運命にあるものが、
自分たちの手で可愛くて「使える」ものになるんだなあという発見でした。
私の中で、ダンボールってあまりキレイな印象を受けなかったんです。
どちらかというと、汚いだとか、はやく処分したいというようなネガティブな思いがありました。
でも、無印良品さんなどで売っているようなダンボールの家具はおしゃれに見えて、ついつい買ってしまう自分もいます。
この違いってどこから来るのだろうか?
新品であるかどうか。おしゃれであるかどうか。
きっと、こういった要因から来るのかなと考えました。
でしたら、使われたダンボールを自分たちの手で「新しくて、おしゃれなもの」に変身させてしまえばいいのか!と気づかせてもらえました。

手芸で「エコ」を学べる、素敵な授業になりました。

(シブヤ大学インターン:矢永奈穂)