シブヤ大学

授業レポート

2012/10/5 UP

代々木公園の防災施設を巡ろうツアー ~いざという時に、何がどこにあるのか知っておこう~

すごくよく晴れた日に代々木公園にある防災施設を巡りました。
先生は、公園管理を担当されている東京都公園協会の防災担当の山口さんと樹木医の阿部さん。
「3.11の時、皆さんはどうしていましたか?」の問いから、授業スタート。

震災の時、代々木公園にもたくさんの方が避難されたそうです。
その時の様子を聞きながらけやき並木を出発。
代々木公園は「広域避難場所」であり、東京都の「活動拠点」になっている防災公園。
地震など災害時に、火災から身を守るために避難する場所なんだとか。

園路には道標になるランプがあり、太陽光なので電気が止まっても道案内をしてくれます。
時計塔のある広場に出ました。
広場には、テント設営のための装備を施している「パーゴラ」と、座る部分を外すとかまどになる「かまどベンチ」がありました。
実際に「かまどベンチ」を組み立ててみます。
1.座る部分をはずす。
2.トレーのような板2枚を1枚は立てかけて、1枚は地面に。
3.かまどに変身。
4.火をおこし鍋など置いて使用する。
※拠点ごとに多少形状が異るそうです。
今回は火おこしはしませんでしたが、東京都公園協会の皆さんが作ってくれた豚汁をいただきました。
おいしい~♪ごちそうさまでした!

災害時には設営される防災テントも見学。
防災への取り組みをパネルで紹介していただきました。

広場からバラの園に向かいます。
その通りには、常葉樹が植えられていて火災から守ってくれます。
樹木医の阿部さんが説明してくれます。
常葉樹の葉は厚みがあって比較的かたく、水分をたくさん含んでいて燃えにくいんだそうです。
1年中落葉しない樹木なので、どんな時でも火災の見張り番をしてくれます。

バラの園から桜の園の方へ行くと、
「震災対策用応急給水施設」がありました。
ここは、渋谷区の職員の方にバトンタッチ。
特別に中を見学させていただきました。
中は地下3階になっていて、1500トンの水がストックされているそうです。
渋谷区の皆さんでも、中々施設の中に入れないんだとか。
こういう機会がないと見ることのできない施設の中を見学して、みんなちょっと興奮。

「震災対策用応急給水施設」から陸上競技場へ向かいます。
陸上競技場は、災害時にヘリポートとして使用されます。
陸上競技場も広いのですが、
災害時には自衛隊、警察、消防等の部隊のベースキャンプになったり、緊急医療用ヘリコプターの離着陸場になったりします。
避難するときには、くれぐれも陸上競技場には避難しないでくださいね。
もし皆さんが、代々木公園へ避難するときは中央広場が一番良いですよと、山口さんは言います。

とはいえ災害にあったら、
避難する施設はありますが、物資が揃い快適な空間を提供してくれるわけではありません。
自分が助かるためにどう行動するかが肝心とのこと。
まずは自助を身につけましょう。

自助が身についていて施設の使い方を知っていれば気持ちにも余裕ができ、落ち着いて行動できそうですよね。
皆さんもお近くの避難場所を探索することをおすすめします。

(ボランティアスタッフ 瀧島朋美)