シブヤ大学

授業レポート

2012/4/24 UP

野菜の可能性は無限大!

今回の先生は野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジエ」でオーナーシェフをされている柿沢安耶さん。野菜のいいところ・個性を生かしたスイーツを多くの人に届けていらっしゃいます。

 一日に求められる野菜摂取量は350グラム。しかし日本人の平均は250グラムであり、外国と比較しても圧倒的に食べられていません。なおかつ農家の数も年々減少しており、輸入に頼っているという状況。
しかし日本人はこれまで【身土不二(身と土は切り離すことは出来ず、季節のものや日本(各地域)で取れるものを食べることで健康でいられるということ)】の意識を持ち、食と向き合ってきました。
 これらのことから柿沢さんは「日本の農家で作られた野菜を使用すれば食料自給率も高められるし、体に良い野菜をまるごと食べることで健康に、元気になってもらえる」という思いを抱き、野菜スイーツを作るようになったそうです。

 そんな柿沢さんはその地域で取れる野菜を使った野菜スイーツの考案、提供をしています。例えばアスパラガスが土から生えている状態をロールケーキで表現したり、なすの皮を剥いたときに香った青リンゴの匂いを生かしてリンゴのように調理してみたり。野菜が持っている背景を大切にし、全ての野菜や農家の方、地域の方への愛情が込められていると感じました。


 今日は野菜の良いところを引き出すスイーツ「ニンジンとミカンのムース」を作りました。にんじんをすりつぶし、はちみつ、砂糖、を混ぜ合わせます。グループの皆さんと協力し合い、スイーツづくりを楽しみました。

 ムースが固まるまでの間、グループで「オリジナルスイーツ企画」を話し合いました。私たちのグループではメンバーの出身地に注目。大阪のたこやきを軸に、具として埼玉の川越いも、神奈川のトマト、さらには金時ニンジンをそれぞれ投入。そしてトッピングやソースを千葉のピーナッツを利用する案を考えました。
 短い時間のディスカッションでしたが非常に濃密な議論が各テーブルで行なわれていました。各地の野菜が活かされた、郷土愛を感じられるスイーツが出来上がり「商品化できそうですね!」と柿沢さんが笑顔で講評してくださったことが嬉しかったです。野菜を見て四季を感じつつ、地域や農家の方々のことを思うことが出来たかな、と思いました。
そしてニンジン&ミカンムースが完成!ニンジンの食感と優しい甘みに思わず笑みがこぼれました。


 対象に対して丁寧な姿勢やあたたかなこころ配りをすることで、その背景が見えてくる。それを大切にしているのが柿沢さんなのだと思いました。中でも柿沢さんが農家の方々との関係を大切にされているところが印象的でした。

 そして今日は、自分が口にする食べ物がここまで来た道や、それを届けてくださった農家の方の姿を頭に浮かべて
「いただきます」。
そう言うことができました。


 柿沢さん、ポタジエのお二人、そして関係者の方々やスタッフのみなさん、楽しい授業をありがとうございました!

(インターン 森美咲紀)