シブヤ大学

授業レポート

2007/2/26 UP

■真実を見極めろ■

 映画「チョムスキーとメディア」を題材に、ノーム・チョムスキーの思想とメディアの実状を解読する。シブヤ大学HPに載っていたこの授業の内容は、一見すると難しすぎて投げ出したくなるようなものでしたが、翻訳家の中野真紀子先生とキャスターのピーター・バラカン先生が、易しい口調とさまざまなエピソードを織り交ぜてわかりやすく解説してくれました。
 思想家チョムスキーの考えは「現代の民主主義におけるプロパガンダは、政府による検閲や悪意による報道の歪曲ではなく、マスメディアが持つシステムそのものによって“ごく自然に”行われている」というもの。それを分かりやすく解説すると・・・  「メディアがスポンサー企業からの広告費で成り立っている以上、その企業の不利益になるような内容は、流さないのが当たり前でしょ」となります。こんな風にわかりやすく解説されながら、先生の体験談を絡めて映画を紐解いていきました。
 そして、このようなマスメディアの実状に対して、私たちどうしていけば良いのか、という話へと至りました。アメリカでは、ケーブルテレビで市民が作る番組があったり、大学内のキャンパスラジオがあったりと様々な形でマスメディアとは違ったオルタナティブメディアが存在しているそうです。インターネットもオルタナティブなメディアとしてマスメディアとは違った情報を得ることが出来ます。けれどインターネットさえ広告が増え、真実がわかりづらくなっている現代において、全てのメディアに対して、目を凝らし、真実を見極めていくことが必要なのです。という結びで、授業は終了。生徒さんからの真剣な意見や質問にも分かりやすく丁寧に答えていた、先生方が印象的でした。
 
(ボランティアスタッフ 竹田芳幸)