シブヤ大学

授業レポート

2006/9/20 UP

授業レポート

ギャル社長。“ギャル”と“社長”という、一見正反対な二つをくっつけた肩書きを持つ彼女は、弱冠21歳。彼女の存在を知って、ギャルのイメージが変わったという人も多いのではないだろうか。
今回の対談の相手は、クリエイティヴ・ディレクターの箭内道彦氏。金髪にピンクのキャップとシャツ、赤と黄色のズボン。スーツ姿のギャル社長とは対照的に、いかにも“らしい格好”で登場した。

「将来の夢は?」と聞かれて、すぐに答えられる若者はどれくらいいるだろうか。幼い頃からバレーをやっていた藤田さんの子どもの頃の夢は「ディズニーランドで踊ること。」だった。しかし、「ギャルが何言ってるの?」という視線で見られることから、次第に夢を言いづらくなっていた。一方の箭内さんはミュージシャンを目指していたが大挫折をしたという。
夢が見つからない若者に対して、「夢を持たなきゃだめだ!」と言うのではなく、将来に何があるか、どんな夢があるか、夢を持ったらどうなるのか、ということを教える学校・カフェテリアスクールを作るというのが彼女の今の目標だという。自分自身が、偏ったギャルのイメージを一新させようと始めたギャル革命を通じて多くの人に出会い、支えてもらった。今度は、みんなが夢をもって生き生きと行動できる環境をつくることが自らの使命であると考えている。
また、「良いものには近づかない、影響されるから。」と言いながら、「コンセプトは流されること。」だという、何ともつかみようのない箭内さん。しかし、“photo is ~”という写真のCMや吉本の芸人が多数登場するワックスのCMなど、私たちの心はしっかりと彼に捉えられている。
二人とも子どもの頃に思い描いていた形とは異なるが、藤田さんはギャル社長、アーティスト「sifow」として、箭内さんはクリエイティヴ・ディレクターとして、“何かメッセージを伝えたい”という共通の本質部分は果たしている。

「お・か・し」。これは藤田さんが考えた夢をかなえるためのキーワード。“おもうこと”から全てが始まり、“かくこと”によって伝えたいことを整理でき、“しゃべること”によって想いを伝えることで、相手から感想がもらえ、次につながる。
“有言実行”を座右の銘として、ギャル革命を全国で繰り広げる彼女の挑戦は、まだまだ始まったばかりである。

(ボランティアスタッフ 桐村 愛)