シブヤ大学

授業レポート

2007/2/24 UP

渋谷で守られる伝統文化

かつては多くの料亭と芸者で賑わい、大人が遊んだ街「渋谷・円山町」。今日では随分と街の様子も変わってしまいましたが、今もなお「遊び」という日本の伝統文化を守り続けている二人の芸者がいます。本日の先生、喜利家鈴子さん・三味線の小糸姐さん。会場は円山町のおでん割烹ひで。割烹料理と飲み物(アルコールも!!)を楽しみながらという、他の授業とは一味も二味も違ったスタイルで行われました。

まずは和やかなムードで乾杯から授業開始。(もちろんチャイムは鳴りません!!)乾杯から始まる大学の授業なんてシブヤ大学ならでは。初体験。「合コン?」なんて声もありつつ皆さんでお酌をし合います。「情緒ある風情を」「私たちは遊びの女」そう言いながらお酌をしていき、通る声で誰より楽しそうに笑う姿に引き込まれ、お座敷はあっという間に「いい感じ」に出来上がっていきました。「芸者はお客様の名前を覚えないし、名刺ももらわない。」「一歩外に出たらもう知らない。」「今夜の遊びの場のみ。」なんていう芸者ならではのスタンスを話して下さったりもしました。

次々と出されるおいしい料理、姐さんたちからの、生徒さん同士でのお酌が進み一時間ほどが経ち、いよいよ芸者の芸が始まります。

拳(お座敷じゃんけん)や小糸姐さんの三味線に合わせて鈴子さんの唄や踊りを楽しむ。
なんか「粋」な感じがしませんか?流行の「脳トレ」に負けないくらい脳をフル活用するゲームもありました。「芸者はその場にあるもので遊ぶ」そうで、今日実際に行ったゲームはすべてその場にあった身の回りにあるものを使ったもの。三味線をBGMにゲームが始まるとお座敷は一層の盛り上がりを見せ、やはりこんなことは滅多に経験できないし、この授業を受けてよかったと思うひとときでした。拳などは結構コツが必要で、始めはぎこちなかった生徒の皆さんも姐さんたちのお手本を見つつ真似をしたり、手取り足取り丁寧に教えてもらううち、
最後には姐さんたちと張り合えるほどになる生徒さんもいらっしゃいました。

おいしい料理と伝統を守り続ける芸者の芸、そして何よりその場を楽しむという「遊びの心」を堪能し、三本締めでお開きとなる頃にはすっかり生徒さん、鈴子さん、小糸姐さん、一人残らず皆が笑顔に。

そう。
今夜は、無礼講。

(ボランティアスタッフ 清水 翔)