シブヤ大学

授業レポート

2011/1/19 UP

パリの三ツ星レストランで修業した料理人に学ぶ、大山鶏のローストチキン

12月の恵比寿キャンパスは授業テーマを「クリスマス」と題し4つの授業を開催しました。
今回の授業はその内唯一の「食」の授業。
クリスマスの食卓にドドーンとあったら盛り上がること間違いなし!のアノの料理。
「ローストチキン」の作り方を皆で学んじゃおう!ということで
パリの三ツ星レストランで修行をなさった料理人、田伏英恵さんを先生にお向かえして
なんとも楽しく美味しい授業を体験してきました。


●ローストチキン

5人1チームに用意されていた材料の中で、ひときわ目立っていたのが
今回のメイン。まるごと一羽の「国産大山鶏」です。
迫力あるビジュアルに少し緊張気味の生徒さん達。
これから自分達の手で「鶏」を「ローストチキン」に変身させます。

先生の丁寧なお手本を皆で見学したら早速実践です。
まずは鶏の鎖骨部分(ウイッシュボーンと言うそうです)を抜き取る作業です。
骨に沿って鶏に包丁を入れ、骨が見えたらそれを手で掴み抜き取ります。
これが意外と力が必要。怯まず恐れず思い切りグイッ!と引くのが成功の秘訣です。
その後ポルチーニ茸のピラフを鶏のおしりに詰め、竹串で留めます。
先生からのアドバイス通り「鶏を針で縫う感じ」でしっかり留めます。
そして型崩れを防ぐためにタコ糸で全体を二巻きほどして足を1つに結び、
塩・コショウを鶏に満遍なくすり込んだら溶かしバターを塗ります。

最初は慣れない様子で恐る恐る鶏を眺めていた生徒さんもこの頃には
「せっかくだから!」と積極的に鶏に触れていました。
その後は野菜をひいた天板の上に鶏を乗せオーブンで焼いていきます。
完成まで鶏をオーブンから二度取り出してバターを塗っていくのですが
どんどん綺麗な焼き色がついていくのを見るたび
「美味しいローストチキン」への期待も一緒に膨らんでいきました。

さて、待ちに待った最後の焼き上がり。
オーブンから取り出すこの時ばかりはどの班からも喜びの声が聞こえてきました。

これにかけるソースも、もちろん手作りです。
アプリコットとエリンギ、そして鶏を焼くとき下に引いた野菜から出たあのエキスを
余すところなく使ったソースが出きたら器に綺麗に盛り付けて
美味しいローストチキンの完成です。

●赤パプリカのマリネ

パプリカの皮をむく為、コンロの直火で焼きます。
これは強火で手早くやるのがコツだそう。

その後はアルミホイルで包み皮をふやかし剥きやすい状態に。
皮を剥いたらレモンの果肉をフォークでさし、ギュッとしぼったレモン汁と
オリーブオイル・塩少々で味を調えたら完成です。


●カリフラワーのヴェルーテ

温かいカリフラワーのスープです。
鍋にカリフラワーを入れ、水を隠れるくらいまで入れます。
そこにローリエ(月桂樹の葉)を一枚加え

グツグツグツグツグツグツグツグツ・・・と煮ます。

柔らかく煮えたら、煮汁が減ってきたところで火を止め牛乳を加えてミキサーに。
その後網でこして少し火を加え、バターと塩で味付けします。
先生からのアドバイスは塩を入れるとき後に入れるベーコンの塩味を考えて
「少し控えめにする」こと。

フライパンで作ったカリカリのベーコンと栗をカップに入れて作ったスープを流し込んだら
オリーブオイルと塩少々、胡桃で飾って完成です。



最後は皆でテーブルを囲んでの試食タイム。
全員揃って「いただきます!」のその後は…?

次々と「美味しい!」という喜びの声が聞こえてきました。
自分達の手で作った料理は本当に最高で、格別の美味しさでした。
今回料理のポイントを先生にたくさん教えていただきましたが
その中の一つにこんなことを言っていました。

「料理のレシピはあくまでも目安。
季節や使うものによって自分流に工夫してアレンジを。」

例えばレシピ通りに材料を用意してレシピ通りに作ったとしても
今日とそっくり同じ味にするのは不可能だと思います。

でも、それはけして悪いことではなくて
作る時間・作る場所・作る人…
それぞれの違いがそれぞれの味になり個性になる。
それでいいのだということなのだと思います。

これ使ったら美味しいかも?なんてレシピにないものを入れてみたり
あるいは家にある何かで代用してみたり。
そうやって「自分なり」に工夫できるのも料理の醍醐味。

上手に完璧に作ろうとすることも素敵だけど「作る」ということを楽しんで
自分の個性や体温が伝わるような、そういう想いのこもった料理を
これから作っていけるようになりたいなと改めて思うことができました。

心もお腹も満たされた笑顔いっぱいの授業でした。


(ボランティアスタッフ 柿沼 真衣)