シブヤ大学

授業レポート

2010/10/26 UP

プライスレスな感動! ~一流シェフによる、一流の食材を使った料理に舌鼓~

「プライスレス」な感動とは、まさにこの講義のことを指します。
講義後のアンケート結果でも、参加者の約92%(24/26)の人が「最も高い満足」と答えるほど、充実した講義でした。
その時の様子をレポートします。


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本日はシブヤ大学でも人気のある家庭科(料理系)の講義です。

「東京ローカルレストラン」とのコラボで、日本の「新しい」郷土料理を考えるための場として設けられました。
今回ご紹介いただく地域として、九州の佐賀県南西部で有明海に面する「太良町」が選ばれています。
(ちなみに、太良町のキャッチコピーには「月の引力がみえるまち」とあり、とても神秘的な響きがありますね)


本日のシェフ陣には、割烹ひさごの川島さん、かき焼き 勇栄丸の大鋸さん、フレンチレストラン オギノの荻野さんが参加されており、否応なしに期待が高まります!
参加を心待ちにしていた受講生も結構いらっしゃっるはず。



講義の会場となる、ケアコミュニティ・美竹の丘に着いてみると、入り口に「シブヤ大学」の立て看板が見えます。
街を歩く人達がそれをみて「シブヤ大学ってどこにキャンパスがあるの?」とか「どういう講義をやってるの?」とスタッフに尋ねにこられる場面も。
講義の1時間前には、産地から届いたばかりの食材による仕込みが始まっていました。


本日の講義の流れは以下の通りで、何故か(!?)「試食」という文字に期待が高まります。
・太良町の人による地元食材の紹介
・地元食材をつかった料理の試食
・地元食材のメニュー開発ブレインストーミングによるアイデア出し



講義は東京ローカルレストランのプロジェクトリーダー、中原さんのナビゲーションにより進みました。
中原さんの解説はしっかりした取材と知識に裏打ちされていて非常に分かりやすく、受講生の皆さんも真剣に耳を傾けていました。


最初の説明は、川島さん(割烹ひさご)による、竹崎カニのお話です。
今の時期に採れる竹崎カニはオスばかりとか、水面をカニが跳ねるぐらい沢山いるときもあったなど地元の人ならではの話が聞けました。
そして、いよいよ試食です。
地元の方にカニの上手な解体方法を教わり、試食しだすと皆無言で...「一心不乱」という言葉が最適なぐらい。
そして、試食した受講生の皆さんの顔があっという間に笑顔になっていきます。
幸福そうな表情と安堵のため息が、カニの美味しさを何よりも雄弁に物語っていました。


2つめの説明は大鋸さん(かき焼き 勇栄丸)による竹崎カキのお話です。
竹崎かきの特徴は「大きい、甘い、縮まない」そうで、
・大きい・・・他のカキに比べて栄養成分が2倍近く多く含まれており、
・甘い・・・有明海の塩分濃度が低いため甘みが強く、
・縮まない・・・カキの身に含まれる水分が少ないことから、焼いたとき縮みにくい
とのことでした。そんな竹崎カキも、気軽にお取り寄せで食べれるそうです。いい時代ですね。

試食ですよ、とお皿に盛ったカキを受講生の皆さんに差し出すと、講義以上に(!)真剣な眼差しでカキを見つめる皆さんの目が印象的でした。
あっという間に完食だったのは言うまでもありません。


最後の説明は、荻野シェフ (フレンチレストラン オギノ)による、地元食材をつかった料理の紹介です。
私にとっては、どれもこれも初めてお目にかかる料理ばかりでしたが、おいしそうなのは一目で分かります。

コンフィー・・・カキを油の中で煮たもの
デュクセル・・・マッシュルームと一緒にカキを煮てペースト状にしたもの
ムース・・・カニの身と海苔をまぜペースト状にしたもの
スープ・・・カニの殻をつかったスープ

中でも印象的だったのはスープです。
普段なら食べる時に捨ててしまうカニの殻を使って作られていて、受講生の皆さんから感嘆の声が聞こえました。
幸運にも、スタッフの私も一杯いただきました。




説明の中では、食材としての特徴、調理におけるヒントなど、プロならではの視点が、受講生の皆さんとって参考になっていたようです。
また、試食に出された料理はどれもこれも素晴らしい味で、今日の受講生は本当に幸運だと思いますね。


その後、美味しい料理の余韻にすこし浸っていただいてから、本日最後の「地元食材のメニュー開発ブレインストーミングによるアイデア出し」に移ります。
各テーブルで大変盛り上がり、あれやったらどう?これはいけるのじゃない!など非常に活発な意見交換がされていました。3人寄れば文殊の知恵といいますが、30人も集まると...もうアイデアの宝庫です。
その後、各テーブルでまとめた意見を発表いただきましたが、なるほど!と思えるものが沢山ありました。
まとめた意見は、太良町の皆様にもちゃんとフィードバックされますので、ひょっとすると未来のヒット商品がこの中から生まれるかもしれません!?



その後、〆にカニのほぐし身をのせたご飯がでてきました。
一瓶3000円以上もするほぐし身を惜しげもなくのせたご飯は、最高級な一杯に入るに違いありません。


最後は集合写真をパチリ。皆さん、いい笑顔です。
美味しいものは皆さんを笑顔にする。
そう感じずにはいられない素晴らしい講義でした。


(ボランティアスタッフ 小林 健輔)