シブヤ大学

授業レポート

2010/10/15 UP

アートで綴る原宿・表参道そぞろ歩き ギャラリー、建物、そして街

猛暑だった夏から、秋の気配も感じるようになった土曜日午後。
原宿キャットストストリートのそばにあるdining café & gallery HOMEに集合した生徒さん7名と先生であるキュレーター兼平彦太郎さんをお迎えして原宿・表参道 dining Café & gallery HOME 2階 コモン からアート巡りがスタート!!
生徒の皆さんは、美術館・展覧会巡りの好きな方が集まりましたが、アートギャラリーは初めてという人が大半。生徒さんたちからギャラリーは入りづらいとの声が多く聞かれましたが・・・

ギャラリー
【1軒目】「コモン」
キャットストリートの喧噪がウソのような落ち着いた雰囲気でまるで避暑地のコテージ。外装と内装の白壁が印象的です。ギャラリーオーナーの西本さんはレストランオーナーの紹介で開業したとのこと。展示作品は2000年以降のアメリカ・イギリスのストリートアート(アーバンストリート)。今後はレンタルスペース・企画画廊として立体的な展示をしていきたいとのことです。
 
【2軒目】「VACANT」
写真家の中村さんがオーナーのギャラリー。空っぽ・自由という意味から名付けられ、きっかけは、もともとここにあった古着屋が移転したので始めたとのこと。コンセプトは「No Concept」。作家とともに作るということを念頭においているそうです。ギャラリー内は1階にカフェと服や小物を販売している店になっていて、2階のギャラリーは広い屋根裏部屋の雰囲気がありました。

【3軒目】「360℃」
ギャラリー界の生き字引と言われている根本さんがオーナー。場所は小さなビルの2階にあり、一見ギャラリーがあるとは気づかない。しかし、私たちが見学している間も引っ切り無しにギャラリーを訪れる人たち。
ギャラリーの窓からは明治神宮へ続く、表参道の並木道が眺められます。展示してあったのはファストフードマクドナルドをデザインしたシルクスクリーンの作品。

【4軒目】「ユトレヒトNOW IDeA」
アート本を多数扱っているギャラリー兼ブックショップ。カフェも併設しており、アート鑑賞・アート関連本読書・飲食もできます。また、うかがったときは、障がいを持った子供たちが描いた作品展示・絵の教室が開かれていました。彼らの作品は独創的で力強さを感じるものでした。アートを通じて年齢・性別様々な違いを乗り越えてツナガレルのだと感じました。ギャラリー内に響く元気な子供たちの声も印象的でした。


兼平さんの案内で原宿・表参道に数多くの著名な建築家の建物や新進気鋭のアーティストたちによる作品、彼らを紹介するギャラリーを運営するオーナーがいることを知りました。生徒のみなさんからは「表参道・原宿にこんなにアートがあるとは知らなかった」、「ギャラリーには入りづらかったが、是非今度またギャラリーを巡ってみたい」との声が聞かれました。
 


建物
【番外編】表参道たてもの探訪
 表参道には数多くの有名ブランド店が並んでいますが、それらの建物も著名な建築家による作品です。先生の兼平さんは、外国人が来日した際は、原宿・表参道に連れて行き今日の授業のように建物を紹介しているとのことです。これほどの建築家たちによる建物が表参道という1つの場所に集まっているのは極めてまれなことだそうです。



今まで美術館や展覧会へ行くことは自分にとって非日常を体験することでしたが、原宿・表参道アートギャラリー巡りをして、アートが非日常というのは固定観念だったかもしれないと思いました。有名な作家の作品(建物・アート)の独特なものを見ると、見ている側の感性が鋭くなっていき、いつもなら気にならなかったものにまで関心が向けられるようになるのかもしれません。自分の感性を外に向けることで、日常の何気なかったものも自分の感性に受信できるように思いました。

たとえそれが有名なアーティストのものでなかったとしても、みなさんもそんな視点で街歩きしてみると新しい発見があるかもしれません。
アート巡りのあと、兼平先生・生徒さんのみなさんで1日の感想・意見が述べられました。先生の兼平さんには生徒の皆さんから「キュレーターの仕事とは?」など、アートビジネスに関する質問も出されました。

そのなかで、「ギャラリーに一人だと入りづらいのでもっと入りやすくしたほうがいいのでは」との意見があげられました。私もその意見に同感でしたが、でも、いま振り返るとアート好きの秘密基地的な入りづらさが、ギャラリーの醍醐味かもしれませんね。
 半日以上の表参道・原宿のアートギャラリー巡り。みなさんお疲れ様でした!!

(ボランティアスタッフ・金子智弘)