シブヤ大学

授業レポート

2009/5/26 UP

今回の授業では、舞踏家の福原哲郎さんを先生に迎え、ロープで吊り下げた大きな筒形の「スペース・チューブ」で無重力を疑似体験しながら人間の身体について学びました。
「スペース・チューブ」は、飛び跳ねる力を利用して、半重力・無重力の状態を疑似体験できる道具で、宇宙での生活空間や姿勢支援に関する新しい研究アプローチとして注目されるようになったそうです。

前半の授業では、地面にくっついているチューブAを一人ずつ歩いて通過。その光景は、白い芋虫の中を黒い生物がうごめいているような不思議な光景。
通ってみると、チューブAはまだ反発力が弱いせいか、無重力感は感じません。
でも、反発力のある壁に囲まれた白の世界を通り抜ける感覚は、別世界に迷い込んだようなキモチに・・・。
その後、四つん這いになったり、わざとバランスを崩しながら歩いてみたり、大人数で整列して前に倒れたりなど、様々な試みをチューブ内で実践。子どもたちは大はしゃぎでした。

チューブA体験の後は、座学でスペースチューブを活用した事例を紹介。先生によるとチューブの中の擬似的な無重力体験をすることで、身体と環境について思い出すそうです。現代は人類が環境から独立しすぎており、チューブは身体と環境の関係性を思い出させるツールのひとつとして活用できるとのこと。

さて、座学の後は、注目のチューブBを体験!
チューブBは二重構造で反発力が強く、より無重力に感じる設定ということで、みんなの期待値もマックスに!チューブB内を進む感覚は確かに自分の体重を感じず、不思議な感覚を覚えます。うーん、この感覚は水の中を泳いでいるカンジに近いです・・・。

先生の言葉で印象的だったのは、頭ではわかっていなくても、自分の身体はすべて理解しており、危険や失敗があった場合は、身体はそこを避けようとする、とのこと。
頭でいろいろ考えて行動することが多い現代。チューブを通して、自分の身体と環境の関係性をリマインドしてくれた授業でした。

(ボランティアスタッフ 山口 由季子)