授業レポート
2009/5/19 UP
今日の先生は明治神宮の森を管理されている沖沢幸二さん。
授業全体の流れとしては、
まず明治神宮内の社務所にて約30分間の講義の後、
明治神宮境内を先生による説明をいただききながら森歩きをし、
その後社務所に戻り、授業の補足、質疑応答だった。
さて授業内容を流れに沿って説明しよう。
【はじめに】
授業がはじまる前に10分間で隣に座った人同士で自己紹介をしあった。
教室全体が緊張感がほぐれ、和やかなムードになったところで、
沖沢さんの講義がはじまった。
【講義】
講義の内容としては、明治神宮を囲む森は
林苑計画という長い年月を掛けて、
人の手によって作られた森であるというお話だった。
中でも特に印象的だったのが、
「一度植えたら永遠に続いていく森となるよう、
木々自身の力で作る森をつくらなければならない」
といった考えの下に植える木々の検討が行われたことだ。
通常、神社の森に植えられる杉、檜(ヒノキ)は
水が多く必要であり、煙に弱いため、
当時新宿にあったの工場群や線路を走る機関車を考慮して、
広葉樹にしようとしたとのこと。
その中でも煙に強いとされる楠(クスノキ)が採用されたとの事だった。
また果実がなる木々は人々が実を取りに森に入る怖れがあり、
森の土を踏み固めてしまうため、神宮内では採用されていないそうだ。
神宮ができる前のこの地には森はなく、荒地だったが、
神社には「杜」が必要との考えから、
日本中から森づくりの専門家が集められ、神宮の杜の「設計」にあたっていった。
【森歩き】
講義の後に先生と一緒に森を歩き、
神宮内の建築物、樹木を中心に説明を受けた。
・境内の大楠
大楠の木が境内に植えられていて、この木を囲むように絵馬が掛けられており、
木の周りの石畳はこの木を保護する為に乗せている
・清正の井と腰懸石
清正の井:戦国武将、加藤清正が彫ったとされている井戸で常に水温14.5度である。
近年はパワースポットと呼ばれている
腰懸石:瘧になるため座ってもさわってもいけないとされている。
・御苑内の菖蒲園
花菖蒲作りは松平定信が交配を始めたものであり、他の菖蒲園の花よりも小さい。
・隔雲亭茶室
御苑内にある明治天皇が昭憲皇太后のために建設した茶室
※先の菖蒲園からこの茶室までの間に
ハルジオン ヒメジョオン キランソウ ムラサキゴケのご説明を頂く。
・大鳥居:南参道と北参道の出合い口にある。
台湾から輸入した檜にて作られているが落雷により再構築されたため現在2代目である。
この木材は現在は禁伐となっている。
・西参道
10軒の道幅で両端の下側が段々になっていて雨天時でも道に水が溢れないように工夫されている。
・南参道
雨上がりに木漏れ日のスジができる。
特に新緑の時期、光のしずくがとても綺麗で贅沢とのこと。
・神橋:南参道途中にある橋で大谷石でできており、その下を流れる川にはつくばの石が置かれている
けやき並木:鍋島公爵が植えたとされる木々は南参道から表参道への連続性を表現している。
神宮内を先生と歩きながら聞いたお話は、神宮そのものの歴史だけではなく、
源氏物語や、枕草子まで及び、それが春の緑色と調和し、なんともロマンチックな気持ちになった。
そんなロマンチックな気持ちにさせられる事が、きっと明治神宮の「森の秘密」なんだろうなぁと
気付かされる授業だった。
(ボランティアスタッフ 鈴木 貴博)
【参加者インタビュー】
◆お名前:大瀬戸さん
◆参加回数:初めて
◆感想:
先生は正にプロ中のプロだなぁと感じました。
特に「杜は循環している」の説明に深く感銘を受けました。
環境問題に興味があるので、今後開催されたら是非参加してみたいと思います。
授業全体の流れとしては、
まず明治神宮内の社務所にて約30分間の講義の後、
明治神宮境内を先生による説明をいただききながら森歩きをし、
その後社務所に戻り、授業の補足、質疑応答だった。
さて授業内容を流れに沿って説明しよう。
【はじめに】
授業がはじまる前に10分間で隣に座った人同士で自己紹介をしあった。
教室全体が緊張感がほぐれ、和やかなムードになったところで、
沖沢さんの講義がはじまった。
【講義】
講義の内容としては、明治神宮を囲む森は
林苑計画という長い年月を掛けて、
人の手によって作られた森であるというお話だった。
中でも特に印象的だったのが、
「一度植えたら永遠に続いていく森となるよう、
木々自身の力で作る森をつくらなければならない」
といった考えの下に植える木々の検討が行われたことだ。
通常、神社の森に植えられる杉、檜(ヒノキ)は
水が多く必要であり、煙に弱いため、
当時新宿にあったの工場群や線路を走る機関車を考慮して、
広葉樹にしようとしたとのこと。
その中でも煙に強いとされる楠(クスノキ)が採用されたとの事だった。
また果実がなる木々は人々が実を取りに森に入る怖れがあり、
森の土を踏み固めてしまうため、神宮内では採用されていないそうだ。
神宮ができる前のこの地には森はなく、荒地だったが、
神社には「杜」が必要との考えから、
日本中から森づくりの専門家が集められ、神宮の杜の「設計」にあたっていった。
【森歩き】
講義の後に先生と一緒に森を歩き、
神宮内の建築物、樹木を中心に説明を受けた。
・境内の大楠
大楠の木が境内に植えられていて、この木を囲むように絵馬が掛けられており、
木の周りの石畳はこの木を保護する為に乗せている
・清正の井と腰懸石
清正の井:戦国武将、加藤清正が彫ったとされている井戸で常に水温14.5度である。
近年はパワースポットと呼ばれている
腰懸石:瘧になるため座ってもさわってもいけないとされている。
・御苑内の菖蒲園
花菖蒲作りは松平定信が交配を始めたものであり、他の菖蒲園の花よりも小さい。
・隔雲亭茶室
御苑内にある明治天皇が昭憲皇太后のために建設した茶室
※先の菖蒲園からこの茶室までの間に
ハルジオン ヒメジョオン キランソウ ムラサキゴケのご説明を頂く。
・大鳥居:南参道と北参道の出合い口にある。
台湾から輸入した檜にて作られているが落雷により再構築されたため現在2代目である。
この木材は現在は禁伐となっている。
・西参道
10軒の道幅で両端の下側が段々になっていて雨天時でも道に水が溢れないように工夫されている。
・南参道
雨上がりに木漏れ日のスジができる。
特に新緑の時期、光のしずくがとても綺麗で贅沢とのこと。
・神橋:南参道途中にある橋で大谷石でできており、その下を流れる川にはつくばの石が置かれている
けやき並木:鍋島公爵が植えたとされる木々は南参道から表参道への連続性を表現している。
神宮内を先生と歩きながら聞いたお話は、神宮そのものの歴史だけではなく、
源氏物語や、枕草子まで及び、それが春の緑色と調和し、なんともロマンチックな気持ちになった。
そんなロマンチックな気持ちにさせられる事が、きっと明治神宮の「森の秘密」なんだろうなぁと
気付かされる授業だった。
(ボランティアスタッフ 鈴木 貴博)
【参加者インタビュー】
◆お名前:大瀬戸さん
◆参加回数:初めて
◆感想:
先生は正にプロ中のプロだなぁと感じました。
特に「杜は循環している」の説明に深く感銘を受けました。
環境問題に興味があるので、今後開催されたら是非参加してみたいと思います。