シブヤ大学

授業レポート

2006/9/13 UP

もみの木ハウス 授業レポート

 食は「私」をつくり、「未来」を作るというテーマで始まった山田英知郎シェフの授業。
まずはテーブルごとに4,5名の生徒さん同士が自己紹介をし、なごやかなムードの中授業が始まりました。皆真剣な表情で、山田シェフの話に耳を傾け、一生懸命ノート(メモ)を取る生徒さんも多く見られました。授業の中心となるのはやはりMOMINOKI HOUSEが30年も前から実践されている、無農薬食品を使用して美味しい食事を出すということ。農薬を使われた食品を口にし続けると、人間の体にどのような影響が出るのか、そして食べた本人だけでなく、それは少なからず子どもたちにまで影響を及ぼすということ。私自身、普段は幼稚園教諭という立場で毎日子どもたちと接しているので、今確実に増えつつある「アレルギー児」に関しては、注目をしていました。その要因は農薬にあり、そして最近毎日のようにニュースで流れる少年・少女が起こした悲しい事件も、農薬が使われた食品を口にしている事が影響しているというお話を聞いて、農薬の恐ろしさを改めて実感しました。
 途中からMOMINOKI HOUSEで普段メニューに載っているお料理を頂きながらの授業となりましたが、もちろん全てが無農薬。味付けも味わいやすい薄味で、基本はこんぶ、醤油、ごま油、塩で味付けされ、人口甘味料は加えていないので、野菜本来の味が噛むほどによく分かりました。又、日本ではMOMINOKI HOUSEでしか食べられないというオーガニックフィッシュ、オララパーチというお魚も。良質のたんぱく質といった感じでとても美味しかったです。そして玄米の焼きおにぎりは絶品でした!栄養素の事はもちろん、噛む事が体にもたらしてくれる力など、何をとってもやはり玄米は最高の主食なのですね。
またシェフ曰く、「料理には人間性が出る」とのこと。人間味そのものが出てしまうのでしょうね・・・恐いです。どんなに良い素材があっても、「良い加減」でなくてはならない。何をするにも「良い加減」って大切なのですね。
 これから何十年も生きていく中で、自分の身を自分で守るためだけでなく、生まれてくる子どもたちのため、未来のために自分で食に関する知識を得て判断をすることの大切さを知り、シェフの「あなたたちは次の世代のことまで考えていますか?」という言葉にドキットしながらも、身の引き締まる思いで授業を終えました。終了後、山田シェフに直接質問をする生徒さんや、授業を受ける中で互いの興味を知り、しばらくの間会話を楽しむ生徒さんたちも大勢いて、ここからまた新しい世界や人と人とのつながりが広がっていくのだなぁとしみじみ感じました。きっとそれだけみなさんにとって充実した授業だったのだと思います。
 山田シェフ、スタッフの皆様、素敵なお話と美味しいお料理、ありがとうございました。心も体も満たされた1時間半でした。 

(ボランティアスタッフ 森川 祐美子)