シブヤ大学

授業レポート

2008/12/8 UP

「ココロとココロのコミュニケーション」

本日の授業の先生は、シブヤ大学「ココロゼミ~緩和ケア編~」の皆さん。
2008年2月から活動を開始して、本日の活動が12回目にあたるということ。
先生達も少しドキドキ緊張されているようですが、皆さんの、温かいチームワークのよい雰囲気が授業開始前から既に伝わってきます。

今回の授業は、講義→グループに分かれてのワークショップ→全体での発表→講義→グループ内で、個人の長所・自慢を発表 という形式で行われました。この形式のおかげで皆仲良く盛り上がり、とても素敵なエネルギーに包まれた場になりました。
それでは、詳細をお伝えしていきます。

まずは、講義がスタート。
皆さん、「緩和ケア」という言葉を聞いたことがありますか?

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患を持った患者さんとそのご家族の病状と苦悩(肉体的な痛み、精神的な痛み、社会的な痛み、スピリチュアルな痛みの4つの痛み)を緩和するためのケアです(ここでのスピリチュアルな痛みとは、“何のために生きてきたんだ、ということ”“自分という存在がなくなることへの不安”“残される家族の痛みがわかる痛み”などを意味します)。

緩和ケアの三原則は、
・症状マネジメント
・チームケア
・コミュニケーション
チームケアとは、患者さん、ご家族、様々な医療スタッフが皆、対等に平等にひとつのチームとして存在することを意味します。ここでのコミュニケーションとは、傾聴(active listening)、共感、タッチング、そばにいること(not doing、but being)を意味します。何よりもそばにいて、“怖い”気持ちを共感することが大切。
確かに自分が一人で病気をしたときも、誰かがただそばにいてくれるだけで安心しますものね。

授業中、先生が「この授業はメモなどを取るのではなく、聴覚で聴いて下さい」と言っていたのがとても印象的でした。人間一番最後に残るのは聴覚だということ。病気で眠っている人のそばでのヒソヒソ話は、実はその人の耳に届いていて、その人が目覚めたときに全て知っていたということは、よく聞く話です。

その後6チームに分かれて、ワークショップを行いました。
まずは、そのチームの中でそれぞれペアを作り自己紹介。
事前に各自が用意した、自分の名前とその周りに好きなことやものの名前を書いた用紙をもとに、聞き手が質問をしながら、話し手がそれに答えていく、という形式です。
自分の好きなことに関して質問をされながら話していく(という自己紹介の仕方は)ので、本当に話しやすく、気分がいいものです。なんだか、その聞き手のことをとても好きになってしまう摩訶不思議(笑)。

その後、各チーム内で「いいコミュニケーションとは?の要素」について、個人でキーワードを思いつく限り付箋に書き出しました。それをグループ内でカテゴリーに分け、模造紙にまとめて、代表者がみんなの前で発表をしていきました。
個人の意見をまとめてカタチにしていくという作業は大変で(はありま)したが、いざカタチにしてみると、今まで見えてこなかったことが新たに見えてきて、とても面白かったです。
それぞれ6チームごとに、発表結果は様々な個性がありましたが、どれも素敵で、共感できるものでした。

ちなみに、私達のチームの考えたコミュニケーションとは、出会い→相手への興味→受容→相手を尊重という形でレベルが進んでいくというものでした。正解はそれぞれでOK。私個人として、他チームの「自分を理解することが、相手への理解を深める」、「まず自分を開くことが大事」という言葉が、とても心に響きました。

ココロゼミの皆さんが考えてきた Commuinication methods は、ピラミッド型で下から、
時間・バランス(水・空気)→興味・関心→パワーバランス(互いの関係)→表現・受容→共感、です。
また、“コミュニケーションは輪廻する”ということに関しては、
お互いコミュニケーションを取りたいと思う→思いやり→受容→安心・自然体→give&take→ポジティブになれる(結果)→またコミュニケーションを取りたいと思う→思いやり・・・
と繰り返されるということでした。なるほど、とても納得ですね!

そのあとは、自分へのご褒美として、各チーム輪になり、一人ひとりが順番に円の中に立ち、自分の長所と自慢を発表することになりました。なんだか恥ずかしいけど、とても嬉しい!!
みんな誰でも長所と自慢できる部分がある素敵な存在だということを再認識しました。

雰囲気のいい、明るくて温かい授業を通して仲良くなったみんなは、とても和気あいあいとしていて、教室は本当に素敵なエネルギーに包まれていました。

コミュニケーションって本当に大切。
素直に心を開いて、人と人とがコミュニケーションを取っていくと、こんなにも素敵で幸せな気持ちになれるんだということを改めて教えてもらえた授業でした。

(ボランティアスタッフ 中川 直美)