授業レポート
2024/6/25 UP
マイ・リトル・ブッダをつくろう!〜仏教の考え方を日常に活かしてみる〜
みなさんは普段の生活のなかで、「仏教」を意識することはありますか? 私は、街を歩いていると時々お寺を見かけたり、法事でお坊さんのお話を聞いたりくらいで、日常で少なからず触れる機会はあるはずなのに、仏教について詳しく学んだり調べたりすることはなかなかありませんでした。今回は、身近なような身近じゃないような、そんな仏教に改めて触れてみることをテーマにした「マイ・リトル・ブッダをつくろう!〜仏教の考え方を日常に活かしてみる〜」の授業レポートです。
授業の講師は、ベンチャー企業で働きながら浄土真宗僧侶としても活動されている 秦 正顕 さん。お坊さんの作業着「作務衣」で参加してくださりました。 ちなみに秦さんは現在29才。これは仏教的にアイコニックな年齢のようで、かのブッダが出家したのが29才だったり、浄土真宗を開いた親鸞が法然と出会ったのも29才だったりするようです。
前半のパートは、秦さんによる仏教やブッダに関する講義から始まりました。 ブッダが出家に出た理由(ブッダってもともと、王子だったんですね。初めて知りました。)や、仏教のスタンス、ブッダが悟った世界の仕組みなどを、体系的に話してくださいました。 「諸行無常」「一切皆苦」などの聞いたことのある言葉以外にも、「四聖諦」「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」など難しそうで耳馴染みのない用語も飛び交う講義でしたが、 秦先生のわかりやすい説明のおかげで、なんとなく自分自身の経験や生活や感情と結びつき、直感的に内容を理解することができました。
個人的に面白かったのが、仏教のスタンスについての話です。 ブッダは悟りを開いてからも、その悟りが世界中の人が理解できるとは思わなかったらしく、どちらかというと「すべての人に伝わるとは思っていないが、もしも必要な人がいるならば、説いてみよう。」くらいのスタンスで活動をしていたようです。このスタンスにすでに、苦しみから解放されるために仏教上必要とされている「諦め」というものが表れている気がして、印象的でした。
後半のパートは、自分の煩悩を書き出し共有する「煩悩ワークショップ」から始まりました。 まずは自分のなかにある煩悩を紙に書き出し、その後、そのうち1つをグループ内で発表します。 秦先生が教えてくれた煩悩を書き出すコツは、「自分の嫌いな部分や、許せない自分自身に注目する」こと。理想の自分とのギャップこそが煩悩なんですね。 ちなみに、ワークの前段で発表されていた秦先生自身の最近の煩悩は、「友人がTikTokでバズっているのを見て嫉妬してしまう」ことらしいです(笑)。 友人の成功を心の底から祝うべきだと頭ではわかっているのに、妬んでしまったり粗探しをしてしまったり…めっちゃわかるなあ。
自分のことだと悩みになりますが、他人の煩悩だと不謹慎かもしれませんがちょっとクスっとくるのが不思議ですね。 各グループ内での発表もおお盛り上り。 「何かと後回しにしてしまう」「楽して楽しみたい」「人の幸せを喜べない」「夜にお菓子を食べてしまう」等々...。他の方の煩悩を聞いて『あぁ~!』とお互いに共感するシーンも頻繁に見られました。自分の煩悩について話すのはとても勇気のいることだと思いますが、みなさん溌剌と話されていてかっこよかったです!初対面の人と深い話をできたり、年代が違う方の考えを聞けたりも、シブヤ大学の授業ならではですね~。
自分の煩悩を発表した後は、「マイ・リトル・ブッダだったら自分にどうアドバイスするか?」について考え、「戒律」を作ります。 「マイ・リトル・ブッダ」というのは秦先生が作った概念で、マイ・リトル・ブッダをいつも心の中に置き、別解や別の見方を提示してもらうことで、心の安全地帯を作れるのでは?という試みのようです。 「戒律」は、煩悩を抑止するための仕組み・ルールで、今回の授業では自分の煩悩に向けてカスタマイズした自分オリジナルの戒律を作りました。 参加者のみなさんのマイ・リトル・ブッダからのアドバイスや戒律は「足るを知りなさい」「万人に好かれようとしなくてえんちゃうか」「人を嫌いになることは当たり前だけど、人も変わるよ」「1日1回自分のことを褒めてあげて」など、個性もそれぞれ。 かなりレベルの高いマイ・リトル・ブッダたちだ、と秦先生からも高評価をいただいていました!個人的には、「怠惰な自分を嫌いになるのは、勤勉だった自分を知っているから」という意見がブッ刺さり、涙が出そうになってしまいました。
授業は、秦先生からブッダの最期の言葉である「自灯明(自分をよりどころとしなさい)」「法灯明(ブッダの教えをよりどころとしなさい)」を紹介いただいて最後のまとめとなりました。 お金を稼いでいい暮らしをしたい、後輩たちや女の子から尊敬されたい、朝までお酒を飲みたい、などなど煩悩は尽きませんが、今日の授業で色々勉強できたし、いつか勝手に私の煩悩も消えてくれないかなぁ...。って、これがすでに新しい煩悩ですかね。汗
(授業レポート:柴田駿、写真:鈴木夏奈)
授業の講師は、ベンチャー企業で働きながら浄土真宗僧侶としても活動されている 秦 正顕 さん。お坊さんの作業着「作務衣」で参加してくださりました。 ちなみに秦さんは現在29才。これは仏教的にアイコニックな年齢のようで、かのブッダが出家したのが29才だったり、浄土真宗を開いた親鸞が法然と出会ったのも29才だったりするようです。
前半のパートは、秦さんによる仏教やブッダに関する講義から始まりました。 ブッダが出家に出た理由(ブッダってもともと、王子だったんですね。初めて知りました。)や、仏教のスタンス、ブッダが悟った世界の仕組みなどを、体系的に話してくださいました。 「諸行無常」「一切皆苦」などの聞いたことのある言葉以外にも、「四聖諦」「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」など難しそうで耳馴染みのない用語も飛び交う講義でしたが、 秦先生のわかりやすい説明のおかげで、なんとなく自分自身の経験や生活や感情と結びつき、直感的に内容を理解することができました。
個人的に面白かったのが、仏教のスタンスについての話です。 ブッダは悟りを開いてからも、その悟りが世界中の人が理解できるとは思わなかったらしく、どちらかというと「すべての人に伝わるとは思っていないが、もしも必要な人がいるならば、説いてみよう。」くらいのスタンスで活動をしていたようです。このスタンスにすでに、苦しみから解放されるために仏教上必要とされている「諦め」というものが表れている気がして、印象的でした。
後半のパートは、自分の煩悩を書き出し共有する「煩悩ワークショップ」から始まりました。 まずは自分のなかにある煩悩を紙に書き出し、その後、そのうち1つをグループ内で発表します。 秦先生が教えてくれた煩悩を書き出すコツは、「自分の嫌いな部分や、許せない自分自身に注目する」こと。理想の自分とのギャップこそが煩悩なんですね。 ちなみに、ワークの前段で発表されていた秦先生自身の最近の煩悩は、「友人がTikTokでバズっているのを見て嫉妬してしまう」ことらしいです(笑)。 友人の成功を心の底から祝うべきだと頭ではわかっているのに、妬んでしまったり粗探しをしてしまったり…めっちゃわかるなあ。
自分のことだと悩みになりますが、他人の煩悩だと不謹慎かもしれませんがちょっとクスっとくるのが不思議ですね。 各グループ内での発表もおお盛り上り。 「何かと後回しにしてしまう」「楽して楽しみたい」「人の幸せを喜べない」「夜にお菓子を食べてしまう」等々...。他の方の煩悩を聞いて『あぁ~!』とお互いに共感するシーンも頻繁に見られました。自分の煩悩について話すのはとても勇気のいることだと思いますが、みなさん溌剌と話されていてかっこよかったです!初対面の人と深い話をできたり、年代が違う方の考えを聞けたりも、シブヤ大学の授業ならではですね~。
自分の煩悩を発表した後は、「マイ・リトル・ブッダだったら自分にどうアドバイスするか?」について考え、「戒律」を作ります。 「マイ・リトル・ブッダ」というのは秦先生が作った概念で、マイ・リトル・ブッダをいつも心の中に置き、別解や別の見方を提示してもらうことで、心の安全地帯を作れるのでは?という試みのようです。 「戒律」は、煩悩を抑止するための仕組み・ルールで、今回の授業では自分の煩悩に向けてカスタマイズした自分オリジナルの戒律を作りました。 参加者のみなさんのマイ・リトル・ブッダからのアドバイスや戒律は「足るを知りなさい」「万人に好かれようとしなくてえんちゃうか」「人を嫌いになることは当たり前だけど、人も変わるよ」「1日1回自分のことを褒めてあげて」など、個性もそれぞれ。 かなりレベルの高いマイ・リトル・ブッダたちだ、と秦先生からも高評価をいただいていました!個人的には、「怠惰な自分を嫌いになるのは、勤勉だった自分を知っているから」という意見がブッ刺さり、涙が出そうになってしまいました。
授業は、秦先生からブッダの最期の言葉である「自灯明(自分をよりどころとしなさい)」「法灯明(ブッダの教えをよりどころとしなさい)」を紹介いただいて最後のまとめとなりました。 お金を稼いでいい暮らしをしたい、後輩たちや女の子から尊敬されたい、朝までお酒を飲みたい、などなど煩悩は尽きませんが、今日の授業で色々勉強できたし、いつか勝手に私の煩悩も消えてくれないかなぁ...。って、これがすでに新しい煩悩ですかね。汗
(授業レポート:柴田駿、写真:鈴木夏奈)